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Spencer Platt/Getty Images

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)は、少数派のコミュニティにとりわけ大きな打撃を与えた。ニューヨーク連邦準備銀行が8月4日に発表した報告書によると、黒人が経営する小規模ビジネスの41%が、2020年4月末までに閉業したことがわかったのだ。

黒人が事業主のビジネスは、白人が事業主のビジネスと比べて閉業に追い込まれる割合が2倍以上だったことが、報告書で明らかにされている。

「小規模ビジネスに関する全米の代表的データを見ると、2020年2月から4月にかけて、営業中の事業主数が22%減り、史上最大の減少幅となった」と報告書には書かれている。

「最も急激に減ったのは黒人が事業主のビジネスで、41%減少。ラテンアメリカ系の事業主数は32%減、アジア系事業主数は26%減となった」。一方、2月から4月までの、白人が事業主のビジネス減少率は17%にとどまった。

これらの割合はその後、大幅に増えているおそれがある。夏になって感染者数が再び増加し、パンデミックが長引いているためだ。米国では8月8日に感染者数が世界で初めて500万人を突破した。

黒人事業主のビジネスが、白人事業主のビジネスと比べて閉業に追い込まれる確率が2倍以上なのはなぜだろうか。黒人の失業率もしばしば、白人の失業率の2倍に上っている。

制度的な人種差別が原因であるのは言うまでもない。そうした差別は世代を超えて積み重なり、銀行との取引関係や融資の可否となって表れていると、ニューヨーク連邦準備銀行の報告書は分析している。

「新型コロナウイルスの大規模な感染は、黒人事業主が多い地域で発生している。パンデミック以前に黒人事業主のビジネスが活発だった郡の3分の2が、新型コロナウイルス感染症で多大な影響を受けた上位50の地域に含まれている」と報告書は述べている。

一方、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の一環で導入された中小企業向け給与保護プログラム(PPP)は適用に差があり、黒人事業主のビジネスの多くは、政府による救済措置から取り残されている。

「黒人事業主によるビジネスの密度が最も高いいくつかの州では、PPPの融資を受ける条件を満たしたビジネスのうち、わずか20%にしか資金が届いていない。また、黒人事業主ビジネスの密度が最も高いいくつかの郡では、PPPのカバー率は一般的に20%未満だった」と報告書は示している。

さらに、黒人事業主のビジネスは、2000年代後半のグレートリセッション(大不況)ですでに大打撃を受けて苦しんでいた。今回の新型コロナウイルス危機が発生した時点ですでに、「貯蓄は乏しく、取引銀行との緊密な関係もなく、そもそも資金不足の状態にあった」という。

「経営がきわめて順調な黒人事業主の企業でさえ、パンデミック発生時にすでに、財務的に不利な状態に置かれていた」と報告書には書かれている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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