全米経済研究所(NBER)が6月にまとめた報告書によると、黒人が経営する零細企業は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による打撃がほかの企業に比べて大きくなっている。ただ、最近のBLM運動によって黒人経営企業を支援する動きもまた活発になっている。
イェルプが22日に明らかにしたところでは、黒人が経営する事業所の検索数は5月25日〜7月10日に250万件あまりに達した。前年の同じ時期は3万5000件ほどだったといい、7043%という桁外れの増加となった。
検索内容は、やはり黒人が経営する飲食店の検索数が2508%増と多かったが、ユーザーは業種をより細かく限定して探してもいる。たとえば、黒人が経営するブティック(専門店)の検索数も331%増、パン店・アイスクリーム店は56%増、コーヒーショップは161%増を記録し、黒人の医師の検索数も183%増えていた。
なかでも、黒人が経営する書店の検索数は1437%と激増していた。反人種差別関連の書籍が売れ筋ランキングの上位に急浮上していることと一致する動向だ。
BLM運動の今回の高まりによって、組織的な人種差別は米国内に限らず世界中で話題になった。コネティカット大学ソーシャルメディア分析センターが今月公表した統計によると、黒人男性のジョージ・フロイドが警官の暴行で死亡する事件が起きてから30日間に、ツイッター、フェイスブック、ソーシャルニュースサイトの「Reddit(レディット)」、各種ブログでの「Black Lives Matter」という言葉の使用例は計8000万回以上にのぼった。
また、BLMはグーグルでも多く検索されたほか、メディアでも盛んに取り上げられた。
今月7日には、「Blackout Day」と呼ばれる経済的な抗議運動として、黒人やその他の「有色」人種の人たちは、買い物にいっさいお金を使わないこと、どうしても買う必要がある場合は黒人が経営する事業者から買うことが奨励された。そうすることで、黒人の購買力に注意を集めようという試みだ。
ジョージア大学の研究によると、黒人の購買力は2021年には1兆5000億ドル(約158兆円)に達すると見込まれている。2016年には推計で1兆2000億ドルだった。