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boonchai wedmakawand/Getty Images

オックスフォード大学が英アストラゼネカと開発中の新型コロナウイルスワクチンは、1077人が参加した第1/2相試験で高い安全性が示され、強い免疫反応を誘発することに成功した模様だ。第1/2相での臨床試験の結果は医学誌『ランセット』に掲載され、新型コロナウイルスに対する安全で効果的かつ入手しやすいワクチンの実現への期待が高まっている。この臨床試験では、ワクチン接種後14日以内にT細胞反応(SARS-Cov-2ウイルスに感染した細胞を攻撃する白血球)が、28日以内に抗体反応が得られた。

このワクチンに関しては現在、合計20億本以上の供給に関する合意が、英国、米国、欧州包括的ワクチン同盟(IVA:Inclusive Vaccine Alliance)、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI:Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)、Gaviワクチン・アライアンス(Gavi, the Vaccine Alliance)、インド血清研究所(Serum Institute of India)のあいだで結ばれている。

このワクチン「ChAdOx nCov-19(AZD1222)」は前例のないペースで開発が進められているが、ガーディアン紙によると、世界保健機関(WHO)がリストアップしたワクチン候補は140以上に上っている。効果的なワクチンは通常、製造承認を得るまでに何年もの開発期間を要するが、現在のパンデミック状況を鑑み、すでにいくつかの候補が臨床試験の最終段階に入っている。7月20日の時点で140種のワクチンが前臨床試験の段階にあり、動物に投与して免疫反応を誘発するかどうかが検証されている。

第1相の臨床試験では、ワクチン候補を少数の人に投与して安全性を確認する。WHOによると、19のワクチン候補がこの段階にある。第2相にあるワクチン候補は現在11種で、この段階では数百人を対象に投与がおこなわれ、さらなる安全性の検証や、投与量に関する問題点の洗い出しがおこなわれる。第3相は最後のハードルであり、数千人規模で投与がおこなわれ、最終的な安全性の確認がなされる。ここではとりわけ副作用の有無が焦点となる。

オックスフォード大学が開発中のChAdOx nCov-19(AZD1222)の場合、危険な副作用はみられなかったものの、70%の人が頭痛や発熱の症状を示した。研究チームは、これらの症状はパラセタモール(アセトアミノフェン)の投与で抑えられるとしている。

7月20日時点では、これを含めた3つのワクチン候補が最終の第3相に入っている。

開発段階別の新型コロナウイルスワクチン候補の数*

*2020年7月20日時点

翻訳=的場知之/ガリレオ

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