フォーブス ジャパンは制作協力として関わり、7月22日発売のForbes JAPAN 8・9月号で記事を掲載。また、オンライン開催される開会式に登場する、4つの取り組みの詳細についてウェブ記事で紹介していく。
その第一弾が、一般社団法人「inochi未来プロジェクト」理事の寺本将行が立ち上げた「生きるための交換日記」プロジェクトだ。
「あの人の応援があって、夢を信じたからこそ、いまの自分がある」
「あのとき、勇気を出して言った言葉が未来を決めた」
志を貫く原動力となる、社会が励まし支えてくれた経験を、コロナ禍という先行き不安や恐怖の中でこそ届けたい。
そんな思いを胸に、高校生や大学生を中心とした次世代医療者1000人以上による一つのプロジェクトがはじまる。「生きるための交換日記プロジェクト」だ。これからの医療を担う医療従事者の卵たち1000人以上の、夢や、コロナ禍における「生きる意味」などの思いを綴った日記を、WEBサイトや高校での授業を通して集めていく。
テーマは、「変わり果てた日常。これからのinochiを守る僕らはいま何に生きる意味を見出すのか」「僕らの生きる意味がヘルスケアの未来を明るく変える」。一般社団法人「inochi未来プロジェクト」理事で、今回のプロジェクトの発起人である寺本将行は次のように話す。
「これからの医療を担う『未来の医療従事者』を支援する取り組みです。コロナ禍で、医療従事者は、自分の命を守りながら、他人の命のことを考えないといけないという困難な局面に立たされました。また外出規制の中、毎日のように出勤し、24時間、感染者の治療にあたるという大変な状況でした。その状況下で、若い彼ら彼女らの『医療従事者になるという夢』に対して、『危険』という理由で周囲から反対されたという声も聞きます。いまだからこそ、『誰かの命を守りたい』という夢を、コロナによって奪われないために、勇気を出して言葉にしてほしい。そして、その背中を押す言葉を社会から集めたいという思いからこの取り組みをはじめました」
同プロジェクトの特徴は、「世界初」(寺本)の、次世代の医療従事者を支援する、全国若者1000人の「同世代との交換日記」である点。それとともに、理化学研究所の網膜再生医療研究開発プロジェクトの高橋政代、大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科の澤芳樹教授といった現役の医療従事者や社会の大人達が応援の声を記入して返す「社会との交換日記」でもある点だ。
「彼ら彼女らの純粋な思いや熱量が、20年後、30年後の命を守る社会を築き上げると思います。未来の医療従事者を支援することが、命を守り続けるために最も大切なことだと思っています」(寺本)
寺本によると、現役医学部生、高校生をはじめ、すでに500名近くの日記が集まっているという。