ライフスタイル

2020.06.08 17:00

新型コロナによる変化 ビジネスがより人間味あるものに

Photo by manny PANTOJA on Unsplash


老人ホームにいる年老いた親や、医療の分野で働いているパートナーや親戚、ウイルスに感染していることが分かっている人やウイルスで亡くなった人など、暗い話題はもはや議論できないことではなくなっている。
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新型コロナウイルス感染症が広まる前は、オフィスの井戸端会議の話題は一気見しているテレビ番組だったはずだ。何気ない会話は、より個人的で根底的な話題に焦点を当てるビデオ通話により置き換えられている。ボリノは「このパンデミックを扱う上で、ソーシャルディスタンス(社会的距離)は社会的・心理的な隔離より、物理的な分離になる必要がある」と補足した。

3. 生活の柔軟性の高まり


私はある顧客と話しているとき、17カ月になる息子が眠っているときはいつでも働いていると聞かされた。昼寝の時間や、8時から夜中までなどだ。彼女がそれまで5年間送っていた8時半から6時まで毎日オフィスで働くスケジュールは、この新たなスケジュールに取って代わられてしまった。

それまでは、上司のオフィスに行って自分の勤務時間が子どもの昼寝のスケジュールによって変わるなどと言うことはなかっただろう。現在では、働き方を生活状況に合わせることが、受け入れられるだけでなく推奨されている。
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ノースイースタン大学のパウラ・カリジュリと、オーストラリアのモナシュ・ビジネス・スクールのヘレン・デ・シエリ教授は、非営利団体メディアネットワーク、ザ・カンバセーション(The Conversation)の記事で、「雇用主の柔軟性が、特定の従業員のニーズに合うようにしなければならない。企業は管理職に対し、いつどのようにして仕事を達成できるかを従業員と開放的に議論し、仕事を提出する必要がある時期に余裕を設けたり、子どもやその他の人の世話に費やせる時間が増えるよう1日の勤務時間を調整したりすることで、より柔軟性のより広範な選択肢を提供すべきだ」と述べている。

オフィスでタブーだった話題や状況は、新型コロナウイルス感染症が原因で、より一般的で議論が必要なものとなった。それにより、私たちは自分の人間らしさと、一緒に働く人のニーズに触れるようになった。現在は握手をすることができない(この習慣は永遠になくなるかもしれない)が、私たちが経験している人間的なつながりは、より強力なものだ。これがこれからも持続されることを願っている。

翻訳・編集=出田静

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