管理職はもはや不要? 在宅勤務で露呈した意識改革の必要性

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私が住む地域では理髪店が再開し始めているが、私はそんな中でも、新型コロナウイルスによる隔離生活で4回目となるセルフヘアカットをした。正直、自分で髪を切るのは楽しく、なかなかの腕前だとも思っている。もしかしたら、もう理髪店は必要ないかもしれない。

管理職についてはどうだろうか? 人々は現在、在宅で働き、指示を与えたり監視したりする上司なしで仕事をこなしており、社員はそのことに気づき始めている。

「これまで、これほど多くの会議に出席しなければならないことはなかった」と建築製図者のトニーは言う。「在宅勤務を始める前は、自分が何をいつ進めているのかを確認されることはなく、ただ仕事を終わらせればよかった。でも今では誰からも信用されていないように感じる」

保険査定員のマンディーは「上司からことあるたびに電話が来る」のだという。「部下の様子を確認すること以外、やることがないのだと思う」

在宅勤務へのシフトが進む中、企業の多くが受け入れる準備ができていない、ある事実が露呈している。それは、従業員の多くには管理職が不要だということだ。こうした従業員は、他者の監視がなくても仕事をうまくこなせる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による仕事の変化と、それに対する適応の必要性について私が最近書いた記事に対しては、世界中から非常に多くのコメントが届いた。

マーケティング部門の管理職を務めるショーンは「私が加える価値とは何なのか、考え始めている」と告白。「私のチームは、私なしで前と同じ仕事をこなしている。仕事自体に私が与える影響は少ない。従業員が出す成果は、隔離が始まる前と同じだ。私はまだ必要なのだろうか? 管理職はいまも必要なのか?」とつづった。

私は読者からの質問には大抵、有意義な回答ができるのだが、ショーンの質問にはたじろいでしまった。「管理職はいまも必要なのか?」

管理職の立場にある人の多くは、ここまで読んで既に心地が悪くなっているかもしれない。「従業員は誰かが監視しない限り、きちんとした仕事ができない」と反論する人がいるかもしれないが、そのような主張をする管理職は、すでに自分の役割が理解できていない。

従業員には、監視役が常に必要だろうか? 従業員は仕事の進め方を指示される必要があるだろうか? 人は本当に「管理」される必要があるのだろうか?

答えは人によって違うだろう。現代の従業員の多くは管理職を必要としていないが、一方でリーダーを必要としている。リーダーの必要性は、かつてなく高まっていると言えるかもしれない。
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編集=遠藤宗生

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