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オレンジジュースを飲みたくても、自分で生のオレンジを絞ったり、搾りかすを片づけたりする面倒は避けたい消費者にとっては、瓶や紙パックに入った市販のオレンジジュースは簡単でありがたい。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大中にオレンジジュースの売上が伸びているのは、消費者が便利さを求めているからではない。柑橘類に含まれるビタミンCを摂取して免疫力を高めたいからだ。

米国立衛生研究所の栄養補助食品室(ODS)は、ビタミンCには免疫機能を維持する力があると述べている。グラス4分の3杯のオレンジジュースには、ビタミンCが93mg入っているという。これは、1日の摂取量の103%だ。

ビタミンCは水溶性であり、体内では作られない栄養素なので、食品などから摂取しなくてはならない。そして、オレンジやグレープフルーツといった柑橘類には多くのビタミンCが含まれている。

新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、オレンジジュースを購入する消費者が増えているのは、ビタミンCを摂取できるという利点があるからだ。ブルームバーグによれば、米国では4月11日までの4週間でオレンジジュースの小売売上高が46%増加。2015年以来の最高を記録した。

なかには、生の柑橘類の代わりにオレンジジュースを購入している消費者もいる。生鮮食品の需要が増えており、食料品店では品薄で、なかなか買えないからだ。ほかにも、新鮮な果物より長もちするという理由でオレンジジュースを買い込んでいる人もいる。そうすれば、買い物に行く頻度も減らすことができる。オレンジジュースと柑橘類の需要が高まるにつれて、価格も高騰中だ。

柑橘類業界が直面する問題は、ビタミンCを求める消費者が急増していることだけではない。カンキツグリーニング病、別名「黄龍病(HLB)」も2005年から悩みの種だ。ミカンキジラミという昆虫が樹木に寄生して全体に広がると、果実がダメージを受け、食用に適さなくなってしまうものだ。

米農務省は以下のように報告している。「カンキツグリーニング病は現在、カリフォルニア州やアリゾナ州、テキサス州など、柑橘類を商業生産するすべての州で確認されているが、最も急速に広がったのはフロリダ州だ。同州は、オレンジとグレープフルーツの生産量が全米最多だが、州内の全ての果樹園が感染していると見られる」

同省の予測では、感染が広がっていても、フロリダ州の柑橘類生産量は今季も前季とほぼ変わらないという。しかしブルームバーグの報道によると、柑橘類の生産量世界一のブラジルでは、悪天候が生産に影響を及ぼしている。こうしたことすべてが、オレンジジュース価格高騰の原因となっている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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