「レイバンを倒す」と公言し、昨今は「めがねシャチョウ」という名でSNSやYouTubeチャンネルでも活動している。これまでの起業家としての歩み、昨今盛り上がっているD2C界隈、新型コロナウイルスの影響でブランドとしてどのように捉え、事業機会につなげようとしているのか。清川にその胸中を聞いた。
メガネは高いポテンシャルがある
──起業の経緯はどんな感じでしたか?
もともと2009〜2011年まで、(カリフォルニアの)スタンフォード大学に留学していて、「起業家がすべて」という方向性で、授業や起業家をリスペクトする姿勢がありました。
そういう環境にいるなかで、徐々に起業に興味を持ちながら、きっかけは2年目の最後の方でした。
ベンチャーの授業を集中して聞くようにしていて、特に影響を受けたのが、(当時高い人気を博していた)元Google CEOエリック・シュミットのアントレプレナーシップアンドベンチャーキャピタルという起業に関する授業でした。
授業の課題で、ビジネスプランを書くことがあり、インターネット発のブランドでメガネを売るという企画を考えました。学生として過ごしていた2011年3月には、東日本大震災もあり、より起業を考えるようになりましたね。
──なぜ、メガネを選ばれたのですか??
和歌山にいる祖母が、誕生日のお祝いで三輪車を買ってくれて、裏山で遊んでいたら、その日に怪我をしてしまって。片目を包帯で3カ月くらい覆う怪我が原因で視力が悪くなってしまいました。
そこからメガネの生活をしていたのですが、25歳くらいのときにレーシック手術を受けたのですが、視力が思ったように回復しなくて。その後に仕方なく眼鏡かけたのが始まりですが、そこからメガネが好きになり30本くらい持っていました。
もうひとつは、留学時代に友人・知人たちから「日本製品は信頼できる」「質が高い」という言葉をよく耳にしました。日本の良いモノを世界中に伝えていくという点において、メガネはプロダクトとして高いポテンシャルがあると思っていました。世界三大メガネ産地と言われる福井県鯖江市の伝統的なモノづくりに注目して、日本の製造業を活性化させたいという想いもありました。