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2020.05.20 07:00

発話の飛沫、空気中に最長14分残存 マスクの効用裏書き


細かな数字に興味がある方のために紹介しておくと、チームは1分間の発話で生じる飛沫がどのように感染を引き起こし得るかも分析している。1ミリリットルあたり平均7x10の6乗のウイルス量では、大声で1分間話すと、ウイルスを含む飛沫核が少なくとも1000個、8分超にわたって空気中に残ると推定されるという。

ただ、注意すべきなのは、実験がよどんだ空気の環境で行われた点だ。この条件は飛沫の振る舞いに影響を与える可能性があり、たとえばよく換気された部屋では、飛沫はもっと消散したり、水分を失ったりしやすいかもしれない。

一方、実験に使った機材では実際には各コマですべての小さな粒子を検出しているわけではないため、報告した数値は「下限値の控え目な見積もり」だともチームは述べている。

今回の研究は、このところ大きな疑問となっていた現象の説明にも役立ちそうだ。それは、自宅待機命令が2カ月にわたって出されているにもかかわらず、感染中心地で感染者数の上昇曲線がなだらかになるペースが比較的遅いのはなぜか、というものだ。ニューヨーク州による最近の調査でも、低度の感染拡大が長引いているのはファーストレスポンダーやエッセンシャルワーカーの間ではなく、自宅にとどまっているとされる人の間だということが示唆されている。

もちろん、自宅にこもっている人がそれぞれどんな生活をしているかはよく分からないが、なかには歩道や建物の玄関でマスクをせずに友人らとおしゃべりしている人がいて、そうした行動がかかわっているのかもしれない。いずれにせよ、今回の研究は、感染が続いている背景や曲線の下降が上昇よりもはるかに緩慢な理由の解明にヒントを与えてくれそうだ。

新型コロナウイルスの感染では、ウイルスの振る舞いと感染を広げる人の両方に関していまだに多くの謎がある。だが、今回の研究に次のようなメッセージがあるのは明らかだ。予防策としても、周りの人への配慮としても、マスクを着用しましょう。

編集=江戸伸禎

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