今後、新規感染者数の減少傾向が続く地域で緊急事態宣言が解除されれば、5月の消費者心理は上向く可能性もある。しかし、ウィルスとの戦いは依然として続いている。さらに、雇用環境が悪化している中では、劇的に消費者心理が改善されることは考えにくい。
図1 消費者態度指数の推移
(注) 調査時点は毎月15日
(資料)内閣府「消費動向調査」より作成
新型コロナによる消費の明暗~巣ごもり・デジタル消費が増加、外出型消費は大幅減少
消費者心理の悪化によって、家計の消費支出も減少している。総務省「家計調査」によると、2020年3月の二人以上世帯の支出額は前年同月と比べて実質6.0%減少した。しかし、その内訳を見ると、外出自粛等の影響によって需要が増した領域もあり、明暗が分かれた結果となっている。
図2に、新型コロナの影響を受けた可能性のある主な支出項目を示す。また、図3には、インターネットを利用した購入で支出額の大幅な増減が見られた項目を示す。支出額が増えた項目を見ると、保存の効く食料品やトイレットペーパーなどの「買いだめ的な行動」のほか、「巣ごもり需要」や「デジタル需要」、「非接触志向」の高まりといった消費行動の変化が見える。
図2 新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた可能性のある主な支出項目
(2020 年3月の二人以上世帯の前年同月と比べた実質増減率 )
(注)総務省統計局「新型コロナウィルスの感染拡大により消費行動に大きな影響を見られた主な品目など」(2020 年5月8日)をもとに、いくつかの項目を追加。手元で計算したものの中には、その品目そのものではなく、近しい品目の 消費者物価指数を用いて計算したものもある。
(資料)内閣府「家計調査」及び「消費者物価指数」より作成
(資料)内閣府「家計消費状況調査」より作成