プライベートエクイティ(PE)は、代表的なものにDelta Capital、Anthem Asia、Myanmar Strategic Holdings(MSH)、Daiwa PI Partners、EMIA、Ascent Capitalなどがある。
Delta CapitalのアナリストのRyan Kyaw Zayar Lin氏は、「5〜15億円程度をインターネットサービスプロバイダー、マイクロファイナンスなどの企業に投資している。ミャンマーは、インドと中国に囲まれており、サプライチェーンの観点からも伸びると予測して、イギリスやデンマークなどからもリミテッド・パートナー(LP)を募っている」と話す。
Emerging Markets Investment Advisers(EMIA)の創業者兼CEOのJoshua Morris氏は、保険、教育、旅行、金融、ヘルスケア領域などに投資し、カンボジア11社、ミャンマー4社、ラオス5社に投資実績がある。
現在シンガポールに住むMorris氏は、シリコンバレーで経験を積んだ後に、カンボジアでコンサル企業を設立。その時のクライアントである7つのヨーロッパの政府がLPになっている。彼はまた、ミャンマーのアーリーステージのスタートアップに投資をするEMEの共同創業者でもあり、「単にお金を投資するだけではなく、投資先企業をよりプロフェッショナルのビジネスへとフォーマライズし、有能な成長企業になるように支援を行う事が自分達の仕事である」と語る。
スタートアップ上場の壁は高い
投資家の出口戦略としての証券取引所現在、ヤンゴン証券取引所では5社が上場しているが、この中にスタートアップは入っていない。スタートアップは、基本シンガポールエンティティをホールディング化させてファンディングしているので、上場するとすればシンガポール市場などを考えている。
ミャンマーの上場基準では、過去2年間で黒字(累積の最終利益が黒)でないといけないため、スタートアップにはハードルが高いのだ。また、ミャンマーは資本規制が敷かれているため、海外投資家がミャンマー国内に資金を注入することを避ける傾向もある。
後藤氏は、「現状では、銀行、不動産開発系のオールドエコノミーの企業が上場している。上場理由は、長期的には資金調達、短中期的には透明性の確保であり、社会的な信用、または外資との提携等に有利に働くことが挙げられる。今後は、物流系の企業も上場すると予測される。また、取引所自体は、あらゆるステージの会社向けに出来ているが、当面は大企業が使う割合が高くなり、スタートアップが上場するにはあと5年かかるのではないだろうか」とみている。