たとえばカスタマーが『アレクサ、私はコロナウイルスを持っている?』や『アレクサ、もしコロナウイルスに感染していたらどうしたらいい?』といった質問を投げるとする。それに対してアレクサは、その人の症状や、感染リスクに関した質問をし、さらにそこに返されたカスタマーからの返答によって、CDCガイダンスに沿ったアドバイスをするという。
そして「日本でも、厚生労働省のガイダンスに即した同様のサービスを開発」したと記す。ベゾスが「株主レター」で日本に言及したのは、これが初めてなのではないだろうか?
在宅期間が長びくこのごろ、コロナ診断までは期待しなくても、話しかけると答えてくれるスマートスピーカーとの暮らしが注目されている。
Forbes JAPANはこの時期の「アレクサとの暮らし方」について、アマゾンジャパン「アレクサ インターナショナル」、シニアプロダクトマネージャーの北野沙織氏にオンライン取材した。
アマゾンジャパン「Alexaインターナショナル」シニアプロダクトマネージャー 北野沙織氏
北野氏は2004年から10年間アマゾンに在籍、2010年には「Kindle」の立ち上げにも加わった。その後いったん離職、LINEでの海外ビジネス開発のリードを務めるなどした後2017年、アレクサ立ち上げメンバーとしてアマゾンに復職。ちなみに1歳半の男の子、3カ月の女の子の母親でもある。
「アマゾン・アレクサ」は、アップルのSiri、Google Home、LINEのクローバとならぶスマートスピーカー、Amazon Echoシリーズを支える「頭脳」の名だ。
世界展開するアマゾンには国によって違う「声」のアレクサが応答するが、北野氏は、各国のテクニカルチームやマーケティングチームと国の境を越えて連携、アレクサの「日本語での応答」全般の改善に尽力している。
まずは音楽。そして「切り替え」の号令役
さて、家にアレクサがいるものの何を呼びかけたらよいのかわからず、結局はただのオブジェになっている、あるいは「目覚まし時計」になっている、というオーナーも多いのではないだろうか。まずは北野氏に、そんな人たちに向けて、アレクサにおすすめの「呼びかけ」はないか聞いてみた。
「そうですね。こんな風に呼びかけたらなんて返事するだろう? という発想で、何でも呼びかけていただいていいのです。ひとつには、やはり音楽をおすすめします」
たしかに、「ジャズかけて」とか「クラシックをかけて」と呼びかけると、アレクサはAmazon Musicなどからのストリーミングで、そのジャンルの音楽をかけてくれる。
「音楽でリラックスしたり、在宅での仕事中にBGMに流したり、音楽を上手に活用していただきたいです。実は今回、リモートワークの増加に対応するべく、仕事モードのスイッチが入るプレイリスト『ホームオフィス』や『仕事のためのアコースティック・ポップ』も新たに作りました」
日がな一日家で過ごすと、とかく切り替えタイミングを逸して生活リズムが乱れ、運動量も減りがちだ。そんな暮らしの「拍」を整えるために、アレクサに朝「ラジオ体操をかけて」と呼びかけて体を動かしたり、リマインダー機能で「平日の午前9時に『勉強はじめ』とリマインドして」、「1時間後に『テスト終了』とリマインドして」と呼びかけるのはいいかもしれない。