スペースXのファルコン9ロケットは、午後3時30分にフロリダ州ケープカナベラルの発射施設から打ち上げられた。ロケットの1段目は、約8分後に大西洋沖630キロの地点に浮かぶ回収船「Of Course I Still Love You」に着陸し、回収された。
ファルコン9の1段目は再利用可能で、今回は4回目の飛行だった。過去には、2019年3月の国際宇宙ステーション(ISS)のミッションでも用いられていた。
さらに、ロケットの先端部分にあるノーズコーン(フェアリング)も、再利用可能なもので、2019年8月のAMOS-17ミッションで使われたものが用いられた。
今回の打ち上げで唯一、今回が初の飛行となったパーツは、衛星を最終的に軌道に送り込む役割を果たす2段目の部分だった。ロケットの発射から約15分後に、60基の衛星が高度290キロの初期軌道に放出された。
軌道に放たれた小型衛星は動作チェックの後に、イオンスラスタの推力を用い、数カ月をかけて550キロまで上昇していく。この過程で、個々の衛星のソーラーパネルが開くことにより、スターリンク衛星は夜間の空で光を放つことになる。
ここしばらくの間、夜空で明るく輝くスターリンク衛星の目撃情報が相次いでいた。一部の天文学者らは、スターリンクの小型衛星が天体観測を妨害する「光害」問題を引き起こすと指摘していた。
しかし、イーロン・マスクは22日のツイートで、この問題についての新たな情報を開示した。マスクによると、今後打ち上げられるスターリンク衛星には、光の問題を低減するためのサンシェードが装備されるという。
「サンシェードを搭載することで、光の反射の問題は改善される」とマスクは述べた。
2019年5月以降に、軌道に投入されたスターリンク衛星の数は420基に達している。2018年の2回の打ち上げで投入されたプロトタイプの衛星も含めると、その数は合計422基になる。
今回の打ち上げは、今年に入り6度目で、ファルコン9のトータルの打ち上げ回数は84回に達した。ファルコン9は米国で運用中のロケットとしては、Atlas Vを上回る最多の打ち上げ回数を達成している。