マーケット、ミレニアル世代、マネー担当。

ウィーワーク会長のマルセロ・クラウレ(Photo by Riccardo Savi/Getty Images for Concordia Summit)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行する中、米シェアオフィス大手「ウィーワーク(WeWork)」は運営するオフィスを、安全と判断される限りは開き続ける意向だ。会長のマルセロ・クラウレと最高経営責任者(CEO)のサンディープ・マサラニが3月18日、従業員宛てのメモで明らかにした。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは17日、ソフトバンクグループがウィーワークの既存株主から30億ドル(約3300億円)相当の株式を買い取るとした取り決めについて、実行に後ろ向きになっていると報じていた。またフォーブスは同日、COVID-19の流行を受けてウィーワークが今後どうなるかを予想した調査記事を掲載していた。

「ウィーワークはサービス提供者であり、建物を開いておく責務がある」。クラウレとマサラニはメモにそう記し、「私たちが建物を安全に、政府の方針に従って運営できると判断したところでは、それらの建物を引き続き開くだろう」としている。

ウィーワークには、自社のサービスをなくてはならないサービスと位置づけることで、議員らに対して自社を「必要不可欠な事業」と認めさせようという狙いがあるのかもしれない。

ウィーワーク運営のオフィスが27カ所あるサンフランシスコのベイエリアでは、すでに政府の制限措置に基づいて住民は屋内退避、必要不可欠ではない事業は停止が求められている。ウィーワークの本拠地で運営オフィスが68カ所あるニューヨーク州でも、知事のアンドルー・クオモが必要不可欠でない事業について、オフィスで働く従業員数を20日までに半分にするように命じている(編集注:知事はその後、不可欠な業種を除き、すべての従業員の在宅勤務を命令)。

メモによれば、ウィーワークが運営するオフィスのうち、少なくとも8カ所は、感染者が出たために一時的に閉鎖されているという。そうした中でも、オフィスを開き続けるという判断を支えるものとして、同社のオフィスが必要だとする入居業者のコメントも引用されている。

テック系コンサルタントの男性は先週、フォーブスの取材に答え、自宅アパートメントのデスクは妻に使われているので、自分はブルックリン・ハイツにあるウィーワークのオフィスを時々こっそり訪れていると明かした。

一方、ニューヨークのある弁護士は19日、郵便物を取ってきてもらうためアシスタントをウィーワークのオフィスに行かせたが、スタッフの姿が見えず、同じ建物内で働く人からウイルスの陽性反応が確認された後、フロアが除染されたかの確認もできないという連絡があったため、引き返させたと話した。

クラウレとマサラニはメモの中で、ウィーワークがCOVID-19対策として、建物の清掃の強化、自社従業員の在宅勤務、公共交通機関を避けてウーバーを利用する場合の経費補助などに取り組んでいることも強調している。

ウィーワークはかつて470億ドル(約5兆1800億円)の評価額をつけていたものの、昨秋、新規株式公開(IPO)の撤回に追い込まれた。ソフトバンクは共同創業者でCEOを務めていたアダム・ニューマンを追放するとともに、経営再建のために50億ドル(約5500億円)の資金支援などを表明していた。

編集=江戸伸禎

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