経済・社会

2020.02.18 14:00

ストロー廃止やレジ袋有料化。日本のプラごみ削減政策、なぜ先進的でない?

形式だけではなく、変化をもたらす行動を起こさなければなりません。(Getty Image)


循環型経済(サーキュラーエコノミー)を重んじる政策方針への転換により、多くのヨーロッパ諸国で製造時に一定量のリサイクル素材を使用することや、特定の使い捨てプラスチック製品の禁止を定める政策がすでに導入された、あるいは導入検討段階に進んでいる中、このような製品製造に関する規制や方針に対応する準備ができていなければ、日本企業がヨーロッパ地域でビジネスを伸ばしていくことはできません。
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そして多くの場合、ヨーロッパの政策立案者たちはそれをヨーロッパ内だけに留めることなくグローバルスタンダードにしようとしています。これまでの事業の殻を破ることができなければ、日本の産業界は確実にグローバルマーケットにおいて市場を失うことになるでしょう。日本政府は、産業界が投資の方向性を転換し、現状を打破して今後の世界的な流れに取り残されないように、政策を通じてサポートしていくべきです。

もし日本政府が「プラスチック・スマート」政策(日本で既に行われているプラスチック削減への取り組みの実践事例をグローバルに紹介するキャンペーン)でグローバル社会をリードしたいと考えるのなら、国内の政策立案と制度設計にもより注力するべきです。意識ある産業界のリーダーはすでにグローバルマーケットが目指そうとしている方向性やトレンドを把握しており、その多くがその方向性に乗り遅れまいと、次の必要なステップへ進みたいと考えています。

そうしたニーズに対し、政府は規制だけではなく、使い捨てプラスチックの総量を削減するために有効なソリューションを生み出す事業へのインセンティブや助成金などを組み合わせたポリシーミックスを導入することで、産業界がアクションを起こすための良き理由と後押しを提供することができます。その際に留意すべきなのは、よく注目されるバイオプラスチックなどの代替素材の開発だけでなく、こうした素材や代替品を市場で適正な価格で流通させるための支援も必要だということです。
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意欲の高い事業者に対する「ゼロ・ウェイスト認証」


それでは、市場ではどのような変化が起こるべきなのでしょうか?

既に店舗で代替品の提供や、これまで無料で配布してきた使い捨てプラスチック製品の廃止を独自に発表した意識の高い事業者も存在します。そして私たち、ゼロ・ウェイストアカデミーは、そのような廃棄物削減または「ゼロ・ウェイスト」の方向へ舵を切る事業をサポートする仕組みを運営しています。
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文=Akira Sakano, Chair of the Board of Directors, Zero Waste Academy

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