死ぬまでに一度は見たい「世界の美野鳥」 国際的写真家はどんな設定で撮るか

Canon EOS 1DX Mark II, Canon EF 400mm f/2.8 L IS II USM, f/5.6, 1/2000s, ISO 800(Shutterstock:Ondřej Prosický) 

かのグレタ・トゥンベリも、「私たちは絶滅の淵にいる(We are in the beginning of a Mass Extinction)」という衝撃な訴えをしているが、生物種が存続の危機に直面しているかもしれない今だからこそ「死ぬまでに一度は見たい、撮りたい」世界に対する思慕がつのるのだろうか。

昨今、自然写真の撮影ブームが起きている。

チェコのオンドジェイ・プロシツキは、そういった自然写真の撮影ブームによって保護地域や国立公園の環境が侵される問題についての注意喚起活動も行う野生生物専門の写真家だ。元々の専攻は「地質学」というが、活火山の探検や僻地の国立公園の研究を通じ、「野生のままの自然」を撮影することに傾倒していく。

現在、南ヨーロッパ、大西洋、北極圏、アフリカ、アジア、中南米などへの自然写真の撮影旅行に1年のほとんどを費やす。2006年からはキヤノン社と提携。そのワークショップにはこれまでに400人以上の写真家が参加し、個展は40回以上開かれている。

また、「ナショナル ジオグラフィック」など世界の一流メディア専属の写真家たちも参加する世界最高峰の野生生物写真コンテスト〈ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー(ロンドン自然史博物館主催)〉では最終選考作品に入選。2011年5月、ヨーロッパ写真家協会(FEP)より、欧州認定野生動物写真家(QEP)に認定される。同年にはFEPから「ヨーロピアン・ランドスケープ・ゴールデン・カメラ2011」賞を授与された。

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オンドジェイ・プロシツキ(Ondřej Prosický)

ここでは本人の全面協力を得て、彼の野鳥写真からいくつかを、本人から供与された撮影設定データ、ならびに解説とともに紹介する。プロの作品を通じ、「死ぬまでに一度は見たい世界の美野鳥」といながらに対面してみたい。


サンショクキムネオオハシ

<撮影地:コスタリカ、ラグーナ・デル・ラガルト、レインフォレスト・ロッジ

カメラ/レンズ機種、絞り値、シャッター速度、ISO感度(以下同)
Canon EOS 1DX Mark II, Canon EF 400mm f/2.8 L IS II USM, f/4, 1/125s, ISO 1600

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学名:Ramphastos sulfauratus(Ondřej Prosický)

オオハシを撮るのに最適の場所は、ラグーン・デル・ラガルトのレインフォレスト・ロッジだ。バナナを置いてある餌台の近くで一日中待っていれば、オオハシが賑やかな鳴き声とともにやって来る。ここなら鳥は、野生の森で餌を探しているときより悠然とした姿を見せてくれる。
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翻訳・編集=小林綾子/S.K.Y.パブリッシング 構成=石井節子

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