ディズニーやアップルらは昨年11月に独自の動画ストリーミングサービスを立ち上げたが、ネットフリックスは1月21日、それ以降では初となる四半期決算発表を行った。
一部のアナリストはディズニーがネットフリックスの会員を奪うと予想したが、それはまだ数字には現れていない。昨年10月から12月にかけて、ネットフリックスは900万人近くの新規会員をグローバルで獲得し、世界の有料会員数は1億6700万人に達した。
新規会員のうち米国の利用者はわずか50万人だった。最大の伸びを記録したのはラテンアメリカとアジアで、それぞれ200万人と170万人の増加だった。ネットフリックスは現地語のオリジナルコンテンツへの投資を拡大しており、その努力が実を結んだ。
しかし、堅調な業績にも関わらずネットフリックスの株価は、今後の四半期のガイダンスが弱気だったことを受けて、わずかに下落した。同社は1月から3月期の新規会員数予想を700万人としたが、これは前年同期の960万人を大きく下回る。
さらに、現状ではディズニーがネットフリックスの会員を奪ったとのデータは示されていないものの、変化が予想される。ディズニーの「Disney+」はサービス開始から24時間で1000万人の登録者を獲得し、その後も会員数の伸びは続いている。
調査企業Sensor Towerのデータで、Disney+のアプリはiOSとアンドロイドの合計で4100万件のダウンロード数を獲得している。さらに、Disney+の月額費用は6.99ドルと、ネットフリックスのベーシックプランの月額8.99ドルよりも大幅に安い。
調査会社MoffettNathansonによるとネットフリックスを追撃するDisney+は、当初の予定を1週間前倒しして、3月24日に欧州でのサービスを開始する。さらに、この市場には新たな競合らも参入する。
5月にはワーナーメディアの「HBO Max」が米国で始動し、ネットフリックスで大人気だった「フレンズ」や「ビッグバン・セオリー」、「サウスパーク」などを配信する。さらに、NBCユニバーサルも「Peacock」を7月に立ち上げ予定で、来年からネットフリックスで最も人気のドラマだった「The Office」の配信を開始する。
一方で、ネットフリックスのオリジナルシリーズの人気は衰えていない。ファンタジー ドラマの「ウィッチャー」は7600万人の視聴者を獲得し、昨年末に配信開始の「YOU ー君がすべてー」のセカンドシーズンは、4週間で5400万人が視聴する見通しだ。さらに、「アイリッシュマン」や「マリッジ・ストーリー」は2月に発表される第92回アカデミー賞の有力候補に挙げられている。
ネットフリックスはアカデミー賞での存在感を高めるために、巨額の予算を注いでいる。株主向けの公開書簡によると、ネットフリックスは10月から12月にかけて、昨年を20%上回る費用をマーケティングに注いでいた。