もしもあなたが企業の最高成長責任者(CGO)だとしたら、大口顧客を増やすために何をすべきだろうか?
コカ・コーラは昨年12月、同社のフランシスコ・クレスポCGO(54)が2020年に退任すると発表した。同社に約30年間勤めたクレスポは、2017年5月に新設されたCGOの役職に就任した。
世界中の200カ国・地域で500のブランドを展開し、70万人の従業員を抱える企業と自分との間に共通点などあるのだろうかと思うかもしれないが、きっとそれはあなたが思う以上にある。
クレスポはCGOとして、グローバル市場や企業戦略、顧客・商業オペレーションを総合的に管轄してきた。
コカ・コーラのジェームズ・クインシー最高経営責任者(CEO)は「フランシスコは、近年のわが社の成功に大きな役割を果たしてきた。特に、彼の協力を得て立案した成長戦略は、われわれのオペレーションと文化に完全に根付いた」と述べている。「彼が残した重要な遺産により、われわれは重要な時期に目まぐるしく変化する消費者のニーズにより集中することができる」
あなたがソロプレナーであろうと、独立したコンサルタントであろうと、小規模事業の経営者であろうと、CGO的な考え方をする上で役に立つ問いを以下に紹介する。
1. 成長を意識しているか?
ビジネスの世界で成長は必須であり、成長戦略を持つ必要がある。カントリーミュージックの歌詞風に言えば、「懸命に成長するか、懸命に死ぬかのどちらか」だ。死は自然なものであり、それはビジネスにおいても同じだ。何事にも終わりは来る。それがいつ来るかはあなた次第だ。
2. 顧客のニーズはどう変化しているか?
クレスポは、消費者がより糖分の少ない飲料を求めていることを知っていた。あなたの業界でのトレンドはなんだろうか?
3. どれほど多様なものを提供しているか?
自分の会社を代表する製品やサービスは必要だ。ただ私はコカ・コーラ商品を多く買っているが、コーラやダイエットコーラやコカ・コーラ・ゼロは飲んでいない。クレスポのおかげで、ミニッツメイドのジュースやダサニのミネラルウォーターなど、そのほかの商品から選べる。
4. アジャイル(俊敏)に行動しているか?
クインシーは「消費者のニーズの変化スピードは加速している。ニーズの変化に対していかに反応し適合するかは、企業にとって重要なこと」と述べている。ビジネスの世界で唯一不変なものは「変化」であり、だからこそ俊敏さが求められる。
私は数年前、かかりつけの医者からあなたは既に一生分の炭酸飲料を摂取しているのでもうやめた方がよいと言われた時、持っていた少数のコカ・コーラ株を手放した。それでも、今もコカ・コーラの動向は注視している。
マーケティングの勉強に熱心な人は、アトランタを訪れる機会があれば、コカ・コーラの歴史を知ることのできるザ・ワールド・オブ・コカ・コーラ博物館に立ち寄ることを強くお勧めする。同館の金庫には、コークの秘伝のレシピが保管されている。コカ・コーラのマーケティングの進化の道筋をたどれば、真の学びを得られるだろう。