ビジネス

2020.01.15

Allbirdsがいま、日本市場に参入したワケ──オープン日の売上は過去1位を記録

Allbirds共同創業者のジョーイ・ズウィリンガー


日本はまず“オフラインのみ”で展開

──立ち上げから約4年。順調に成長してきているかと思いますが、事業の手応えはいかがでしょうか?

想像以上の成長で驚いています(笑)。日本の原宿店がAllbirdsの直営店としては15店舗目になるのですが、今年中に20店舗まで増やそうと思っています。

いま、Allbirdsの売り上げの8割がオンライン経由ですが、店舗はブランドにとって重要な役割を担うもの。今後も重点的に取り組んでいきます。やっぱりお店の前を通ればブランドを認知してもらえる。その機会は大きいですし、実際に履いてもらえればAllbirdsのシューズの素晴らしさを分かっていただける。素材の感触は物理的に触れていただかければ分からないので、そういう機会を提供することはすごく大切です。

そのため、店舗の運営スタッフの採用にも積極的に投資をしていて、ウェブサイトでは学び得ないAllbirdsの世界観、知識を伝えられる人材のみを採用し、配置しています。彼らがブランドの素晴らしさを顧客に伝え、その顧客が潜在的な顧客にAllbirdsの素晴らしさを伝播させていく。私たちは店舗で提供できる体験は素晴らしいものだと確信を持てているからこそ、日本ではオフラインの店舗に特化してローンチします。

オンラインではなく、日本で初めてAllbirdsに触れる人には店舗で体験してもらいたい。その体験を、多くの人に伝えていただければ、と思っています。


原宿店のサービスデスクは、解体が決まっている原宿駅の木造駅舎への敬意を込めて、木の素材が使われているという。

──ここ数年で商品のラインナップも増えていますが、新しく展開する商品、デザインなどはどのように決めているのでしょうか?

顧客のインサイトを研究したり、実際に顧客の家を訪問して暮らしを理解したりしています。具体的にはクローゼットも覗き、いろんな質問をするんです。もちろん、消費者の理解は得ていますが(笑)。私自身、現場で直接顧客の声から学びたい思いが強いので、顧客ライフスタイルを直接理解できる場をすごく大事にしています。

そこで学んだことをベースに、次にどういった商品をつくるかを考えています。やはりブランドにとっては大事なのは顧客に飽きられないようにイノベーションを起こし続けることです。ひとつの商品を作って成功していけるとは思ってないので、新しい素材やカテゴリー、靴の型などたくさんの種類を展開していくことが成功するには重要になると思います。今年も新しくローンチする商品が、いくつも控えているので楽しみにしていてください。
次ページ > シューズをトリガーに成長していく、Allbirdsというブランド

文=新國翔大 人物写真=小田駿一

ForbesBrandVoice

人気記事