20代女子にはどう映る? 「渋谷」100年に一度の再開発

東急プラザ渋谷から渋谷の街を臨む(Photo by Christopher Jue/Getty Images for Tokyu Land Corporation)

今年も、残すところあとわずか。2019年はどのような1年だったでしょうか。「令和」への改元やラグビーW杯に沸いた今年、最後に話題を呼んでいるのが渋谷の進化です。

東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、渋谷駅周辺では現在、「100年に1度」といわれる大規模な再開発が進行しています。11月1日に渋谷スクランブルスクエアが、12月5日に東急プラザ渋谷が続々とオープンし、渋谷の風景も刻々と変わっています。

2019年を締めくくる意味でも、今回は女子にとっての渋谷の進化について考えたいと思います。

渋谷スクランブルスクエア
渋谷スクランブルスクエア(picture cells / Shutterstock.com)

20代と30代のギャップ

まず、このところの渋谷の進化を語る際に必ず添えられる「若者の街だった渋谷が、あえて成熟した大人の女性をターゲットとしている」という説明、これには、ちょっと違和感も覚えます。

説明の前提として共有されているのは、かつてギャルがセンター街を闊歩し、若者が溢れる活気に満ちていた渋谷の姿だと思いますが、はて、そんな渋谷の光景を胸に抱いているのは誰でしょう。そう、1990年代の渋谷の光景を鮮明に記憶している方々です。

「経済を動かす“女子”の秘密」と題したこのコラムでは、これまで「20代・30代女子」を主語にしてきましたが、この渋谷の進化を考えるにあたっては、あえて20代と30代に分けて考える必要があります。

なぜなら、30代女子にはアムラーブーム、コギャルブームの記憶がしっかりとあり自分ごとでもあったからです。例え、小学生だったとしても、女子のはしくれとしてルーズソックスを楽しんだおしゃれ小学生も多かったと記憶しています。

一方、いまの20代女子は、そのブームとは少し距離があるのです。20代前半の友人の女子10人にヒアリングしてみたところ、彼女たちにとっても渋谷は楽しい街であることは間違いない、けれど渋谷一強の印象はあまりない模様です。

例えば、新大久保。今年初めのタピオカブームに関する記事でも触れた通り、韓国料理店が軒を連ね、韓流好きの女性が多く集まる街というイメージは過去のもの。今、新大久保駅に降り立つと、ごった返しているのは10代から20代前半の女子たち。写真映えする韓国グルメを食べ歩き、キュートな韓国コスメを求める女子で賑わっているのです。

気分の上がる「SHIBUYA SKY」

そんな20代前半女子にとっての渋谷の進化は、「再開発」というより「開発」に近い。つまり、前の渋谷はよく知らないけれど、新鮮なものや楽しいものを発見できるスポットが渋谷に新たに誕生しているというイメージです。

例えば、渋谷スクランブルスクエア屋上の展望空間「SHIBUYA SKY」は、渋谷ならではの眺望を楽しめる空間ですが、10代や20代前半の女子にとっても、気分の上がる場所として連日賑わっています。同時にそこには、かつての渋谷を大人たちが懐かしむ姿もありました。

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渋谷スクランブルスクエア屋上「SHIBUYA SKY」からの景色(Chaay_Tee / Shutterstock.com)

慣れ親しんだ層の心を掴んだまま、新たな層も掴んでいく。その間口の広さが、渋谷の強みと言えるでしょう。常に世の中の最先端を走る街として、これからも進化を遂げていく渋谷が楽しみです。

連載:経済を動かす「女子」の秘密
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文=山田 茜

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