ミドルマネジメント層の重要性と育て方
──御社はメンターであるアルバイトや学生の方も多くいらっしゃいます。様々な役職、立場の人々の意識をひとつの方向に揃えるためには、何が重要だとお考えでしょうか?
事業立ち上げ当初、メンバーが数十人だった頃のマネジメントの仕方は、いかにもなワンマンでした。私が「こうやって行こう!」と喝を入れて引っ張っていくような感じです。それでも、インターンの学生もTECH::CAMPのことを好きでいてくれて、社員であるなしに関わらず非常にロイヤリティが高かったです。
しかし、メンバーが100名を超えたあたりからそのやり方では限界があると思い始めました。自分ではなく、自分の代弁者であるミドルマネジメント層を育てなくてはならないと感じるようになりました。そのため、今も試行錯誤の段階ではありますが、どんどん権限を委譲して、ミドルマネジメント層を強化することに力を注いでいます。
ミドルマネジメント層を育てることは人それぞれに個性もあり、非常に難しいのですが、現状至っている共通の解決方法としては、接触頻度を上げて何度も何度も話すこと。徹底的にミドルマネジメントをやっている方に尽くしきること。これしかないと考えています。それができると、ミドルマネージャーの意識や思考が自分とほとんど同じ方向を向くようになり、チームをそれぞれに任せたとしても方向性がぶれることなく、自律的に動ける組織になると思っています。
──そのような人材の育成は時間のかかることのように思います。
そうですね。その意味では人を増やすスピードには気をつけております。
まだまだミドルマネージャーが育っていない段階で組織規模を急拡大すると、リーダーとしてまだ未熟な人をリーダーに据えなくてはならない。そうなると、現場の混乱を招いてしまいます。ミドルマネジメントが問題なく動いていることを逐一確認しながら組織拡大を進めていくのが重要だと感じています。
──スタートアップだと、なかなか難しいジレンマですよね。早く会社の規模を拡大したいけど、人の成長が追いつかない。
難しいですよね。人が介在する余地の少ないウェブ完結のサービスだったら比較的問題が少ないと思うのですが、「TECH::CAMP」は人の価値がすべての事業です。そういう事業の場合はことさら拡大スピードに気をつけないと、ミドルマネージャーの育成が追いつかないせいで現場が混乱する、というようなことが起こってしまいます。なので、忍耐強く、ジレンマと向き合い続ける必要があると思います。