上位3人のメンバーは企業のCEOとして、目覚ましい実績をあげた人々だ。テック業界のトップに選ばれたのはIBMのCEOのジニ・ロメッティだ。
IBMのCEOのジニ・ロメッティ(Photo by Sean Gallup / Getty Images)
総合ランキングで9位に入ったロメッティは、2018年10月にクラウド向けソフトウェア企業のRed Hat(レッドハット)を340億ドル(約3兆7000億円)で買収すると宣言し、2019年7月にそのプロセスを完了させた。
IBMにとって史上最大の買収案件となったRed Hatの買収で、同社はアマゾンやマイクロソフトが先行するクラウド市場で巻き返しを図っている。
2位にはユーチューブのスーザン・ウォジスキCEOが入った。ユーチューブでは今年、テロ活動家による投稿が問題化し、同社が十分な監視体制を敷いていないとの批判も高まり、彼女にとっては厳しい1年となった。ウォジスキの妹でバイオテクノロジー企業「23andMe」CEOのアン・ウォジスキも、総合ランキングで91位に入っている。
オラクルのサフラ・キャッツCEOは、2014年からマーク・ハードと共に同社の共同CEOを務めてきたが、今年10月にハードが亡くなったため、単独でCEOの職務を務めている。キャッツはテック業界では2位に入り、総合ランキングでは14位とされた。
テック業界で4番目に影響力が高い女性に選ばれたのは、フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグだ。フェイスブックはここ数年、個人データの取り扱いや政治広告に関して厳しい非難を浴びており、サンドバークにとって2019年はその対応に追われた1年だった。
フェイスブックCOO シェリル・サンドバーグ(Photo by Joe Raedle / Getty Images)
ツイッターは政治広告の全面禁止を決定したが、フェイスブックは言論の自由を追求するスタンスから、政治広告の掲載を継続している。ブルームバーグの10月の取材に対し、彼女はこう述べていた。
「私たちはお金のためにこの決定を下したのではない。フェイスブックの売上に政治広告が占める割合は1%未満だ。その程度の売上を守るために企業のスタンスを変えることはない」