このリストでは毎年、20分野からそれぞれ30組を選出しているが、今年のコンシューマーテクノロジー分野を代表する起業家に選ばれたのが、動画のマーケットプレイス「Cameo」共同創業者のデヴォン・タウンゼント(Devon Townsend)だ。
現在29歳のタウンゼントはマイクロソフトに勤務後、Vineのインフルエンサーとして活躍し、人々がインターネットのセレブたちにオリジナル動画の制作を依頼できるプラットフォームのCameoを2017年に立ち上げた。
シカゴ本拠のCameoは誕生日や結婚式で用いるサプライズ動画などの制作を、インフルエンサーに頼めるサービスとして人気を博している。同社は累計6700万ドル(約73億円)の資金をLightspeed Venture PartnersやBain Capitalなどから調達している。
動画の制作を1本あたり5ドルから3000ドル程度で著名人に依頼できるCameoの売上は今年、数千万ドル規模に達する見通しだ。
一方、これまでに無かった形のポイントプログラム運営する企業として注目なのが、28歳のタイラー・ケネディと26歳のウェス・シュロールらが設立した「Fetch Rewards」だ。2人は、既存のポイントプログラムがリアル店舗ベースで運営されており、報酬を得るためには繰り返し店舗を訪れなければならないことに不満を募らせていた。
ウィスコンシン州本拠のFetch Rewardsは、店舗の来店にポイントを与えるのではなく、ブランドへの支持に対し、リワードを与える仕組みを考案した。同社のプラットフォーム上では、購入した店舗とは関係なく、特定のブランドの商品の購入に対してポイントが付与される。
今年の30アンダー30のコンシューマーテック分野では、起業家だけでなくウーバーやグーグル、インスタグラムなどの大手企業に在籍中の30歳未満にも賞が与えられた。
その1例に挙げられるのがツイッターのプロダクトマネージャーを務める25歳のJesar Shahだ。Shahは新興国向けの軽量版ツイッターであるTwitter Liteの設立に関わり、2018年には新機能の「ブックマーク」を立ち上げた。さらに、先日のツイッターのデザインのリニューアルにも参加した。
ウーバーからは、新興国チームで勤務した後、Uber Elevateを設立した28歳のNikhil Goelも、今年のリストに選出された。Goelは現在、ヘリコプターを用いた輸送部門のUber Copterを率いている。
近年のソーシャルメディア業界はフェイスブックやインスタグラムが主要な地位を占めているが、ここに新風を吹き込もうとうしているのがAlex Ma(26)とAusten Ma(24)の兄弟だ。彼らはAirPodsなどのワイヤレスイヤホンを利用中の人々がつながり、会話ができるサービスの「TTYL」を生み出した。