Photo by Mario Tama/Getty Images

フランスのマルセイユでは、過去1年で8つの異なる電動キックボードシェア企業が操業してきた。しかし、先日施行された新たな法律により、同市で展開が許される企業は3つに絞られた。

電動キックボードは、スマートフォンを使って短時間レンタルができ、欧州や北米で過去1年の間に急速に広まった。

電動キックボードの擁護者らは、キックボードのシェア制度があることで車を使う人が減り、二酸化炭素を抑制できるとしている。一方反対者は、電動キックボードが二酸化炭素削減に役立つという企業側の主張は疑わしいと述べ、キックボードは現実的な輸送手段というより玩具として使用される場合が多く、大けがをする人が出ていると述べている。

マルセイユでは1月以降、救急隊員の処置が必要な電動キックボード関連事故が283件起きている。ブリュッセルでは、電動キックボードに乗っていた人が1人転倒して死亡しているし、バルセロナやパリでは複数の高齢者が電動キックボードにはねられて亡くなっている。また米AP通信によると、米国では2018年以降、電動キックボードに乗っていた人の死亡事故が少なくとも11件発生している。

こうした数字は、自動車事故の死亡者数と比べると明らかに少ないが、電動キックボードがさらに普及すれば死亡者数も増えることが懸念されている。乗り手にヘルメットの着用を義務付けることでけがは減るかもしれないが、仏調査コンサルティング企業の6tは、ヘルメット着用が義務になった場合は電動キックボードの利用が71%減ると予想している。

これまで、多くの異なる電動キックボードブランドが存在し、歩道をふさいでいることに怒りの声が上げられてきた。電動キックボードを止める場所については現在ほとんど規制がなく、住宅の扉の前や駐車された車の前に置かれていることが多い。また、特にマルセイユでは多くのキックボードが運河や川、海に捨てられている。

電動キックボードに対する住民の不満の拡大

各市はこれまで、キックボードに対する規制の制定になかなか取り組んでこなかった。しかし、市民の不満が膨らむにつれ、一部の都市では取り締まりが始まっている。マルセイユでは入札が開かれ、今後操業を許される企業として既存の8つの電動キックボードシェア企業からバード(Bird)、サーク(Circ)、ボイ(Voi)の3社が選ばれた。同市は応募プロセスの一貫として、安全性の保証と公共スペースの共有について尋ねていた。

マルセイユは、電動キックボードシェア企業の入札を早くから実施した都市の一つで、選出された3社にとっては大きな勝利と考えられている。一方、同市場をこれまで率いてきた米ライム(Lime)には痛手だ。多くの都市と同様、ライムはマルセイユに初めて進出したキックボードシェア企業で、市場の半分を担っていたものの入札では選ばれなかった。

翻訳・編集=出田静

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