中国の官営メディアによれば、北京大興国際空港には「103個の特許技術」が適用されており、その「国産化率は98%に達する」という。いわば、中国の科学技術を結集させた見本市といったところだろうか。
停車場に車を止めて付近に設置されている端末に携帯番号を入力すると、コの字型の駐車ロボットが自動で移動して空いたスペースまで運んでくれる。帰る際には、スマートフォンに転送されたQRを端末にかざす。すると、ロボットが自動で車を運んできてくれる。この駐車ロボットの導入により、「駐車にかかる時間は約1分、車を探すのは約2分」との触れ込みだ。
チケットカウンターのスタッフの頭の上の画面には、QRコードが浮かび上がる。航空会社の会員になると、QRをスキャンするだけ電子チケットが発券される仕組みだ。保安検査場や出発ゲートなどいたるところで顔認識システムが稼働。身分証の写真と顔の照合にかかる時間は約2秒で、ストレスフリーな空の旅を支援する。なお顔認識技術を提供しているのは、中国のトップAI企業のセンスタイムだ。
空港内観(Mostak Ahmed / Shutterstock.com)
北京大興国際空港の通信インフラに関しては、中国通信機器メーカー大手・ファーウェイ、航空会社各社、移動通信キャリア各社がともに構築した。中国メディアの報道によれば、「ターミナル内のみで約3000台の5G用中継器が設置されている」という。
北京大興国際空港の今年の予想利用客数は、およそ350万人だ。来年にはその約8倍、2860万人の利用が見込まれており、空港側は「旅客1億人、貨物400万トン」を目標に掲げている。
空港外観(lazy dragon / Shutterstock.com)
なお、天安門広場から北京大興国際空港までの距離は、直線で約46km。北京首都国際空港より2倍近く遠い距離となっている。ただ、北京の都心から北京首都国際空港まで高速鉄道(時速160km)が走っており、20分以内にアクセスすることができるとされている。10月末から国際線も開通する予定となっているため、中国旅行に出かける際にはぜひ一度は寄ってみたいものだ。
連載:AI通信「こんなとこにも人工知能」
過去記事はこちら>>