たしかに、昨年末にトレンドマイクロ社が発表していた調査で、スマホやインターネットを利用している子どもの7.3%がフィッシング詐欺や架空請求などのサイバー犯罪のトラブルにあっていることも目にしていた。今回は詐欺から子どもを守るために我が家でどのような話をしているかを共有したい。
UFOキャッチャーはやらない方がいい?
ある日、子どもを連れて回転寿司に行ったところ、かなり盛況でしばらく店内で待つことになった。その店は繁盛店で、待つことが一般的なため、子どもが待ち時間で飽きないように、あらゆる所に工夫がしてあるのだが、そのひとつに小さなUFOキャッチャーが設置してあった。当然ながら我が家の子どもたちもUFOキャッチャーをやりたいと言い始めたので、「やりたいのであれば、自分たちのおこづかいを使いなさい」と伝えたところ、1回100円なので1回だけおこづかいでやると決めたようだ。
筆者は学生時代にゲームセンターで遊ぶことも多かったため、おそらくこのUFOキャッチャーは1回やったぐらいでは取れないだろうと思い、子どもたちにもたぶん難しいと思うよと伝えたのだが、子どもたちは既に臨戦態勢に入っていた。
案の定、長女も次女も景品のぬいぐるみを取ることができなかった。その後、子どもたちは「やらなければよかった」とグズグズ言い出したので、「本当にあのぬいぐるみが欲しかったの?」と聞いたところ、実はいま一番欲しいぬいぐるみだったわけでもなく、なんとなく見たら欲しくなったという事だった。
筆者もその気持ちは十分に分かるが、その場の感情に流されてお金を使うことの危険性はしっかりと教えるべきだと思い、少し込み入った話をしてみた。
前提条件を把握するべし
UFOキャッチャーの景品にも、当然仕入れ値が存在する。基本的にUFOキャッチャーの景品1個の価額は800円以下になるように決まりがあるようだが、おそらく小さなぬいぐるみだと原価は200円前後、手の込んだフィギュアや大きなぬいぐるいみだと600円前後になるのだろう。
前者のUFOキャッチャーは1回のプレイ料金が100円、後者は300円で設定されていることが多いと思うが、仮に原価がそれぞれ200円、600円だとすると、最低でも3回はプレイしないと景品が取れないようにしないと、商売にならないのは子どもでも分かる。
それでは、どのように難易度をコントロールするのか。ここにはいくつも方法がある。景品を取りにくいように配置したり、クレーンのアームの強さを絶妙に調整する方法もあるだろう。中にはいくら投資しているかをカウントし、一定金額までは取れないようにする躯体があるという話も聞いたことがある。
いずれにせよ、想定される原価と1回のプレイ料金を考えれば、基本的に1プレイだけで取れる確率は低いことは分かるだろう。それゆえに、その景品が本当に欲しいものなのか、お店で買うことができるのであれば、何回までのプレイで取れればお得なのかを比較する必要がある。このように原価や確率などの前提条件を把握することが重要なのだ。