フェイスブックのAR(拡張現実)及びVR(仮想現実)部門を率いるアンドリュー・ボズワースは公式ブログで、同社が今後、ユーザーの心理を読み取るテクノロジーを開発し、コンシューマー向けプロダクトに組み込む計画であると述べた。
CTRLラボの創業者のPatrick Kaifoshは現在31歳で、フォーブスの「30アンダー30」の選出歴を持つ。
コロンビア大学でニューロサイエンスを学んだKaifoshは、今年3月のフォーブスの取材で、「手の筋肉のレイアウトは、どんな人でも共通であるため一貫性のあるデータを取れる」と話し、「手首につけたリストバンドだけで、日常的に使う全ての電子デバイスの操作が可能になる」と述べていた。
CTRLラボは今後、フェイスブックのAR及びVR関連プロジェクトを手掛ける「フェイスブック・リアリティ・ラボ」に組み込まれる。今年2月に実施した資金調達で、同社はGV(旧グーグルベンチャーズ)の主導により2800万ドルを調達していた。Pitchbookのデータによると、CTRLラボは累計6700万ドルをアマゾンのアレクサファンドやSpark Capitalなどから調達している。
フェイスブックのボズワースは、「リストバンドは脳から送られる、手を動かすための信号を読み取る」と述べた。CTRLラボのテクノロジーは、この信号をスマートフォンやコンピュータが理解できるものに変換するという。
「このデバイスは人間の意図を読み取ることを可能にする。つまり、写真をシェアする際に、ごくわずかな動作をする、もしくはそう思うだけでアクションを起こせるようになる」とボズワースは述べている。
フェイスブックは2017年に、脳とコンピュータをつなぐ「ブレイン・マシン・インターフェース」のコンセプトを明らかにしていた。それ以降、最大の成果となったのが、フェイスブックの資金で実施された、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームによる論文だ。
今年7月に発表された論文で研究チームは、神経障害の患者らが話そうとしている内容を、リアルタイムで読み取ることに成功したと述べていた。