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I write about the innovations affecting the world of work.

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経済的・技術的破壊が仕事や家計に与える影響については、過去数年間で盛んに議論されてきた。オックスフォード大学のカール・ベネディクト・フレイ博士が著書『The Technology Trap(技術のわな)』で論じているように、こうした破壊の時代は決して新しいものではなく、人類は最終的にはそれぞれの変化の時期に順応するものの、毎回の革命には必ず、影響を受ける仕事に従事する人が抵抗する段階が伴う。

フレイが論じているように、こうした抵抗の成否は主に、影響を受けるグループがどれほどの政治的勢力を持っているかにかかっている。こうしたグループの主張が権力者によって聞き入れられる場合は技術の前進がしばしば阻まれるが、そうでなければ、進歩の方が押し通されることになる。

労働市場を根本から変容させる可能性のあるロボット工学や人工知能(AI)、ビッグデータ、ブロックチェーンなどの新たな技術をめぐる熱狂が、息もつかせずに日々続く中、頭に浮かぶべき疑問は「私たちは社会として、祖先よりもうまく適応できるのか?」だ。

需要の減少

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが先日発表した論文は、所有スキルへの需要が経済的・技術的破壊の結果として減った人が直面する課題に焦点を当てている。研究チームは、スウェーデン人労働者の生涯収入と、スキルへの需要が減った場合の雇用の見通しを分析した。

研究チームは、1985年当時破壊されつつあった職業に就いていた人々を特定し、そうした人々がその後どのような影響を受けたかを追跡。対象者が破壊にどのように反応し、どのような影響があったかを理解するため、その後30年間の収入や雇用と失業の記録、訓練や開発に使った期間を調査した。

その結果、仕事が破壊された労働者とそうではない労働者の間の認知能力には大きな違いが見られないとの結論に至った。研究チームの分析は非常に細部にまで及び、同じような業務だが職業としてのリスクのレベルが異なる労働者も比較した。その例として、雇用が激減したタイピストと、逆に仕事の機会が大きく増えた秘書や役員補佐が挙げられている。

編集=遠藤宗生

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