2017年、インテルは国際オリンピック委員会(IOC)とTOPパートナーシップ契約を締結。2018年に開催された平昌オリンピック開会式で、同社は光のショーを1200機以上のドローンで演出、5Gを利用したクロスカントリーのライブビューイングなどを実施した。
来年の東京五輪ではテクノロジーを活用し「同大会史上もっともイノベーティブな大会にしたいと思う」と鈴木はいう。
インテルと聞くと「インテル入ってる」の広告に象徴されるCPUやマイクロプロセッサを思い浮かべるが、5Gプラットフォーム、AIプラットフォーム、VR/ARのプラットフォームへも力を入れている。東京五輪では、これらの技術を利用し、パートナー企業と「コンピューティング」「コネクト(ネット接続)」「エクスペリエンス(体験)」の3つの重点分野に取り組み、イノベーティブな大会にする狙いがある。
インテルが考える3つの重点分野
まず、「コンピューティング」においては「3Dアスリート・トラッキング(3DAT)」と「VRトレーニング」を提供する。3DATとは、4台の高度なモバイル・パンチルトカメラで、選手のフォームや動きを取り組み、最適化された姿勢推定アルゴリズムを適用し、選手の動きなどを分析する。このシステムのデータを変換することで、100メートル走や他のスプリント競技の再生時に利用される。また「VRトレーニング」システムを利用することで正確かつ客観的なフィードバックをもとにトレーニングの有効性を改善できるという。
「コネクト(ネット接続)」では、5G技術やインフラストラクチャー・プラットフォームを提供し、ギガビット接続や新しいモビリティ・ソリューション、没入感のある視聴体験、高度な放送サービスを開発。また東京五輪のオフィシャルパートナーであるシスコシステムズはオリンピックスタジアムや選手村などで大規模なネットワークを支えるという。
「エクスペリエンス(体験)」では、NECの顔認証システムを利用した「NeoFace」を入退場時にオリンピック史上初めて活用するという。また「#2020beat」ではインテルのAI技術を用いて5曲を制作。これは呼びかけ(ベースリズム)と応答(応答リズム)の2つで構成され、観客は呼びかけに対し、手拍子で答えるようになっているという。