ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

(James D. Morgan/by Getty Images)

人類は、いよいよ、旅客機の連続搭乗「20時間の壁」に挑みつつある。

世界的にフライトニーズが高まるなか、新型のジェット機ではますます燃費の向上が進み、今回、カンタス航空が、ボーイングの新型787-9ドリームライナーでの「シドニー〜ニューヨーク」19時間連続フライトのテストに着手した。

しかし、19時間も乗客の身体がもつのだろうか? ウォール・ストリート・ジャーナルによると、カンタス航空は、この就航計画の検討のために、自社の社員40人を旅客機に乗せ、実際にテストフライトするという試みに出た。

このテストでは、乗客の体に心電図の電極をつけるなどし、長時間フライトが身体的および心理的にどういう影響を及ぼすのか、データをとっていくという。また、機内の消灯のタイミングや、消灯時間の長短などをいろいろ試して比較し、睡眠の深さとの相関や時差ボケ対策も研究する予定だ。

自社の社員の他にも、シドニー大学の医療研究者も搭乗し、乗客の就寝パターンや食事や飲み物サービスのタイミングを変えることで、どのように快適性を向上させられるかを観察するという。

シドニー大学のシニア研究員、スヴェタ・ポストノーバ氏によると、機内照明は時差ボケに対する大きな変動要因となるが、その他にも食事や、搭乗前や機内での身体動作のあるなしも、大きく影響を与えるという。

去年、カンタス航空は、19時間フライトに先駆けて、パースからロンドンまでの17時間フライトを就航させたが、この便では、水分維持や睡眠の増進、時差ボケ防止に効果がある食事のメニューの開発に注力したという。さらに、パースの空港ラウンジにヨガスタジオを設置するなどしたが、1年間経った今、カンタス航空の就航路線の中で最も高い顧客満足評価を獲得したことで、長時間フライトに自信を得たようだ。

ポイントは技術力ではなく乗客の体力

アメリカには、搭乗時間の長さゆえに、アジアへの旅行を敬遠する人がまだまだたくさんいる。しかし、このような開発や研究が進めば、長時間フライトも短距離同様の負荷ですむということになる。

文=長野慶太

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