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高級ゴルフクラブを手がけるマジェスティ ゴルフ(旧マルマン)が韓国企業の完全子会社となって、経営再建を進めることになった。

マジェスティ ゴルフの筆頭株主であるマジェスティ ゴルフ コリア(ソウル)がTOB(株式公開買い付け)によって、9月30日にも100%の株式を取得し、マジェスティ ゴルフ株の上場を廃止する。

TOBが成立すれば、少数株主を意識することなく、迅速に経営判断を下し、経営不振に陥っているマジェスティ ゴルフの再建に取り組むことができる。

マジェスティ ゴルフ コリアは「全株式を取得できなかった場合は完全子会社化のための一連の手続きを実施する」としており、上場廃止に向け強い意志を表明している。

すでに韓国社が51%を取得

マジェスティ ゴルフは1950年設立の日本ゴールドメタル工業が前身。1955年に時計バンドの製造を開始し、1959年には国産第1号のガスライターを発売した。

1962年に社名をマルマンに改称し、1965年には世界初の電子ガスライターを発売。さらに1984年にはヒット商品となった禁煙パイポを発売した。

ゴルフ業界に参入したのは1971年。マルマンゴルフを設立しゴルフクラブの製造に乗り出したのが始まり。

1982年にはメタルウッド「ダンガン」を発表し、メタルブームを巻き起こした。その後も高反発ヘッド(1994年)や大型高反発ヘッド(2000年)などを投入し、話題を集めた。

2005年に大阪証券取引所ヘラクレス、2010年に同JASDAQに上場した。2018年に社名をマジェスティ ゴルフに改称した。

韓国企業とは2010年代初めに資本関係を持ち、現在はマジェスティ ゴルフ コリアが株式の37.68%を保有し、マジェスティ ゴルフ コリアの親会社である韓国投資会社モーツァルトアドバイザーズコリア(ソウル)もマジェスティ ゴルフ株式の13.32%を保有している。両社合わせた保有割合は51%となり、すでに経営権は韓国側にある。

このため今回のTOBの目的は明らかに非上場化。上場を廃止すれば、上場企業として求められる独立性や少数株主への配慮などを排除でき、上場維持費の削減なども可能になる。こうしたメリットの方が上場による信頼性や知名度アップなどのメリットよりも、マジェスティ ゴルフの経営再建には重要と判断したようだ。

ちなみに今回のTOBはマジェスティ ゴルフの金在昱社長、金錫根取締役の両氏がマジェスティ ゴルフ コリアの代表理事(代表取締役)を兼務していることから、マジェスティ ゴルフ経営陣による買収(MBO)に該当する。

MBOには大きく分けて、上場企業が非上場化するために経営陣が買い手となる株式非公開型(上場廃止型)と、事業承継型の二つの形があり、今回は前者の典型的な事例といえる。


文=M&A Online編集部

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