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2019.08.20 17:00

ベネチア、衝突事故受け巨大クルーズ船禁止へ?

クルーズ船「MSCオペラ」 by Gettyimages


多くの専門家や住民にとっての問題は、どのような観光を目指すかだ。多くにとってその答えは「責任ある観光」で、そのためには当局が効果的に規制を実施しなければならない。だが、他の利害関係が障壁となっているようだ。
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この状況に危機感を募らせる同市のルイージ・ブルニャーロ市長は6月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に支援を要請。イタリアのラジオで「ベネチアの街は危機にあり、私たちは皆、危機を感じている」と訴えた。市長の不満は主に、伊政府からの支援不足だ。

ユネスコは既に、次のような警告を出している。「ベネチア市への非常に大きな観光の圧力により(…)ベネチアとその潟の歴史地区が機能的に変化している。これは、住宅が宿泊施設へと変わり、住民向けの商業活動・サービスが観光関連の活動により代替されることによるもので、この地のアイデンティティーと文化・社会的統合性が危機にさらされている」

あふれかえるメディア報道では、クルーズ船の入港が今後全面禁止されることでクルーズ船観光が崩壊することが示唆されているが、実はこれはダニーロ・トニネッリ伊インフラ・運輸相が表明した「意向」に過ぎない。トニネッリは議会で、3分の1の船の寄港地を歴史地区から近くの港へと移したい意向を表明し、航路変更は9月までに始まる可能性があるとした。
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ニュースサイト「ザ・ローカル(The Local)」は「こうした報道は完全に事実無根で、一部船舶の航路を変更するアイデアは、現時点では一つのアイデアにすぎない」と指摘。「報道機関から大きく注目されたにもかかわらず、トニネッリは実際には船を一隻も禁止しなかった。交通委員会の会合で、計画を述べただけだ。実際、この政府会合はクルーズ問題について長期間にわたり計画されている協議の初回でしかなかった」と伝えている。

トニネッリがベネチア市の観光の制限について地元当局と意見を異にするのはこれが初めてではない。ルポワンによると、ベネチア市当局はこうした提案に対して非常に慎重な姿勢を取っていると報じている。

地元の民主党(PD)議員、ニコラ・ペッリカーニは「大臣はクルーズ船を、まるで小さな車のように潟を横切って動かせると考えている」と苦言を呈した。


「No Grandi Navi(大きな船はいらない)」と呼び掛ける大規模な抗議活動
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編集=遠藤宗生

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