セレブが彩るベネチア国際映画祭 今年の注目作品は?

初主演作となる『アリー/スター誕生』に出演したレディ・ガガ(Photo by Stefania D'Alessandro/WireImage)

初主演作となる『アリー/スター誕生』に出演したレディ・ガガ(Photo by Stefania D'Alessandro/WireImage)

カンヌ国際映画祭ほど有名ではないものの、より歴史の長いベネチア国際映画祭は近年、アカデミー賞の前哨戦としての役割を果たすようになった。

75周年を迎えた今年のベネチア国際映画祭は、まさにその役割を体現するものとなった。開幕日の夜には、ライアン・ゴズリングが宇宙飛行士ニール・アームストロングを演じた伝記映画『ファースト・マン』が世界初上映された。同作では、『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督とゴスリングが再タッグを組んだ。

『ラ・ラ・ランド』は2016年のベネチア映画祭で称賛を集め、後のアカデミー賞では歴代最高記録に並ぶ14部門でノミネートされ、うち6部門で受賞を果たした。


『ファースト・マン』の出演者、左からジェイソン・クラーク、オリビア・ハミルトン、デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ

『ファースト・マン』を観た批評家とベネチア映画祭の観客は、まさに天にも昇る心地となったようだ。これまでのレビューでは、ゴスリングに加え、アームストロングの妻ジャンを演じたクレア・フォイの演技が絶賛されている。同作は上映後、3分間のスタンディングオベーションを受けた。

一方、『ファースト・マン』と同じ賞レースの舞台には(現時点では)立っていないものの、ベネチアで大きな関心を集めたのが、往年の名作『スター誕生』をレディー・ガガとブラッドリー・クーパー出演で再びリメークした『アリー/スター誕生』だ。この物語はハリウッドを80年以上にわたり魅了し、リメークされるたびにアカデミー賞レースをにぎわせてきた。


『アリー/スター誕生』で監督デビューしたブラッドリー・クーパーと主演のレディー・ガガ

オリジナル版で主役を演じたジャネット・ゲイナー、そして1954年のリメーク版で主演を務めたジュディー・ガーランドもアカデミー賞にノミネートされた。1976年版では、バーブラ・ストライサンドとクリス・クリストファーソンが出演。ロックミュージカルとして生まれ変わった同作では、劇中歌『スター誕生/愛のテーマ(原題:Evergreen)』」がアカデミー賞歌曲賞を受賞している。

クーパーは最新リメーク作品で監督デビューを果たした。また、製作総指揮や脚本の共同執筆も担当し、楽曲のほとんどをレディー・ガガと共同で執筆した。クーパーが演じるのは、大酒飲みのカントリーロックスター、ジャクソン・メインだ。

ガガ演じる若手歌手を発見して恋に落ちるが、彼女の人気はすぐに彼をしのぐようになる。これまでのレビューと、ベネチアで8分間にわたりスタンディングオベーションを受けたことを考えれば、ガガのアカデミー賞ノミネートは固そうだ。また、作品自体も既にアカデミー賞の有力候補となっている。
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編集=遠藤宗生

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