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タスカジ代表取締役 和田幸子

共働き世帯が増えている日本。その一方で、仕事と家庭の両立に悩みを抱えているケースは少なくない。そんな課題意識から、和田幸子は、約15年間務めた大手IT企業を辞めて、2013年に独立。家事代行のマッチングプラットフォームを手がけるタスカジを創業した。

当時、日本ではまだ珍しかった家事代行。一般家庭が気軽に家事をアウトソースする文化がないなか、和田は新たな市場を切り開いてきた。現在、タスカジのサービスには、55000人のユーザーが登録しており、着実にファンを増やしている。

自らの力で道を切り拓く女性たち「セルフメイドウーマン」を紹介する連載企画。7月25日発売のForbes JAPAN9月号でも特集しているこの企画で、今回は和田幸子のわくわくする瞬間を聞いた。

──「タスカジ」の事業内容について教えてください。

家事の代行をお願いしたい人と、家事の仕事をしたい人との出会いの場を提供するシェアリングエコノミー型のプラットフォームを運営しています。家事のサービスを提供する主体は、私たち運営側ではなく、登録してくれた「タスカジさん」と呼んでいるハウスキーパーさんです。

家事代行と聞くと、裕福な家庭が利用するイメージがあるかもしれませんが、「タスカジ」の主なユーザーさんは一般的な家庭で、家事をする人手が足りないニーズに、1時間1500円からの料金でお応えします。例えば、小さなお子さんがいる共働きの家庭だと、今日は洗濯をしてほしい、次回は料理をお願いしたいといった具合に、日によってニーズが違っていて、柔軟に対応してくれる人を欲しているんです。そういう意味で、タスカジさんは「家事パートナー」といえる存在ですね。

──起業したきっかけは何でしょうか。

自分自身の生活です。前職はIT企業でSE(システムエンジニア)をしていて、すごく楽しく、クリエイティブに働いていました。でも、結婚して子どもができると、仕事と家庭を両立させる難しさを実感することになりました。家に帰ってからのパワーを残しておく必要があることを考えると、仕事に精一杯取り組もうとしても、そこで力尽きるわけにはいかなくて、集中力が削がれたりしていたんです。同期の女性に話を聞くと、みんな同じ悩みを抱えていることがわかりました。

キャリアアップしたいと思っていても、家事に足を引っ張られて、仕事でチャレンジしきれない。でも、誰も悪くはないんです。私の場合も、夫が一生懸命サポートしようと、キャリアを犠牲にしてまで家事をやってくれました。それでも、楽しく生きていこうとこんなに頑張っているのに、なんでつらい目に合わないといけないんだと、社会に対してすごく腹が立ったんです。

そこで、私の中では、いろんな複雑な構造があるなかで、女性が活躍しにくいと自分自身で思い込んでしまう一番の課題は、家事の負担が大きいからだと思ったんです。そして、怒りを起業というかたちで解消しようと決めて、家事パートナーを見つけられる出会いの場をつくることにしました。

構成=眞鍋 武 イラストレーション=Willa Gebbie

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