発表された資料よると、パイオニア・フーズは地域に適した安定的な製品ポートフォリオを展開。パンやシリアル、トウモロコシを原料とした主食のほか、ジュースなどを販売している。
同社が取り扱う主要なブランドには、全粒小麦シリアルの「ウィートビックス(Weet-Bix)」、フルーツジュースの「セレス(Ceres)」、食パンの「サスコ(Sasko)」、ドライフルーツの「サファリ(Safari)」などがある。
およそ1年前に前任のインドラ・ヌーイに代わってペプシコの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任したラモン・ラグアータは、パイオニア・フーズは同社に「差別化された機会」をもたらす存在であり、アフリカ地域における短期間での事業拡大の実現を可能にするものだと述べている。
ラグアータによれば、「パイオニア・フーズは南アフリカにとどまらず、サハラ以南のアフリカ地域全体にも事業を広げることを目指すペプシコの戦略において、重要な一部を成すものとなる。両社の事業は、まさに相互補完的なものだ」。
ペプシコは買収の一環として、サハラ以南のアフリカ地域を担当する新たな事業部門を設立する予定。25年にわたって同社に勤務し、トルコと南東欧地域の事業を率いてきたユージン・ウィレムセンがトップに就く。
南ア経済全体を支援
今回の買収により、ペプシコがアフリカで推進している持続可能な農業プログラムは、さらに規模を拡大することが可能になると見込まれている。また、地元の農家やサプライヤーとの協力を通じて、収穫量の引き上げや人々の生活の向上、貴重な天然資源の保護に対する支援なども強化できると期待されている。
パイオニア・フーズのテルティウス・カルステンスCEOは、「ペプシコの一員として、私たちは主要なブランドの事業をさらに拡大していくことができる。また、地元の農業や地元の人々により多くの投資を行うことが可能になる」とコメントしている。
ペプシコはまた、南アフリカ共和国が推進する黒人の経済力強化政策(Broad-Based Black Economic.Empowerment、B-BBEE)を通じた経済改革の重要性を「明確に認識」しているという。今後はパイオニア・フーズのBEEプログラムを支援していく考えだ。