売り上げ増を実現するため、同社はオーガニック版ゲータレードやプロバイオティクス飲料から糖分を減らした飲料、塩分を減らしたスナック菓子まで、商品の変更に関する取り組みを続けてきた。そして、2017年第2四半期の売上高の増加は、こうした健康スナック・飲料と位置付ける商品に支えられたものとなった。
ペプシコはまた、健康志向を強める世界的な消費者の好みの変化に対応するほか、自社の環境負荷を低減させるため、これまで掲げてきたビジョンの下、日常的に摂取する栄養源としての側面を打ち出した商品、「Everyday Nutrition Products(エブリデイ・ニュートリション・プロダクツ)」の重点化を推進している。これらは「罪悪感を持たずに食べられる」、使用する穀類や果物、野菜、タンパク源に配慮した商品だ。
成長の鍵を握る「罪悪感ゼロ」
罪悪感を持たずに食べられる商品の売り上げは、ペプシコの売上高の約45%に上っている。同社の商品ポートフォリオが実際に、消費者の健康志向に合わせて変化していることを示すものだ。炭酸飲料の売り上げが低迷し、飲料事業が伸び悩むなか、同社は今後も将来の成長を支えるものとして、この商品セグメントを重視していくことになると見られる。
また、ペプシコ傘下のスナック菓子ブランド、フリトレーは売上高と利益率の引き上げを目指し、商品の高級路線化を図っている。販売が伸び悩む「低価格で大容量」の商品から、「高価格で少量」の商品へのシフトが進行すれば、利益率の上昇も見込むことができるだろう。
一方、ブルームバーグの報道によれば、フリトレーは「シンプリー」と名付けた人工的な原料を使用しない新たな商品シリーズで、ホールフーズをはじめとする自然食品スーパーマーケット・チェーンといった新規販路の開拓を狙っている。
「シンプリー」シリーズには、「ドリトス」や「レイズ」、「チートス」など11の主力ブランドのオーガニック版が含まれる。ペプシコ幹部によれば、これらの商品はホールフーズが取り扱う商品の選定基準を満たすものだ。
アマゾンによるホールフーズの買収は、ペプシコにとって最善のタイミングで実現したといえる。ホールフーズはこれまで、ジャンクフードとしてのイメージがあるブランドや、消費財大手の商品の取り扱いを避けてきたためだ。買収により、今後はこうした従来の方針にも変化が出てくる可能性がある。