有休に消極的な日本人 「遊び」にはきっかけが必要なのか?

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働き方改革法案の成立により、労働基準法が改正され、2019年4月から、年10日以上有給休暇の権利がある従業員は、5日以上の有給休暇を取得することが義務付けられた。

過去を振り返れば、国民の祝日の一部を月曜日に移して三連休にするハッピーマンデー制度の導入(2000年)など、日本では国民の余暇時間を増やす施策がとられている。こうした取り組みの背景には、日本の有給休暇取得率の低さがある。強制的に長期休暇を作ることで、国民の生活を豊かに、さらには観光業など経済活性化につなげようという試みだ。

旅行サイトのエクスペディアが昨年末に発表した「世界19カ国 有給休暇・国際比較調査2018」によると、日本の有休取得率、有休取得日数ともに19か国で最下位。有休取得率は3年連続最下位となった。日本には、遊びより仕事が重んじられる風土があるのかもしれない。



一方で、「遊び」のプラットフォームを提供していると、遊びに対して積極的な人に多く出会う。彼らはどんな考えや価値観で、どんな行動をしているのだろうか──。そんな思いを持ちながら、先日、アソビューを定期的に利用している方々にをして、気づいた共通項がある。

それは、「今を大事にしたい」「人生一度しかない」「いつかという日はない」という価値観が強いということだ。「思いたったが吉日」とばかりに一人でも出かけるという人、「人生を謳歌しなければいけない」と強い義務感さえ感じる人もいた。

そんな価値観がどう形成されたのか、深堀っていくと、大きく分けて4つのターニングポイントがあった。いくつか具体的に紹介してみたい。

1. ライフステージが変化するとき

就職、退職、結婚、出産……。自分自身のライフステージはもちろん、子どもの成長に合わせるように「遊び」が変わるという人は多い。

40代の男性は、子どもが中学生になり、部活や友人が優先となり、家族で出かける機会が減ったことで遊び方が変わったという。一人で沖縄に行って船舶の免許を取得したり、スキューバダイビングのライセンスを取得したり、新しい趣味を見つけることで、新しいステージを開いている。

私の周りでも、妊娠した友人が、「子どもが生まれたらなかなか遊べなくなるから、妊婦でも楽しめるアクティビティを教えてほしい」と相談してくるなど、ライフステージが変化するタイミングで「遊び」が意識されている。
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文=内田有映

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