マクドナルドを困惑させた、ライバル企業の広告戦略とは?

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1セント(約1円)で、アメリカの大手ハンバーガーチェーン「バーガーキング」がハンバーガーを売り出した。

その「からくり」が、6月17日から南仏カンヌで開催されている世界的なクリエイティビティフェスティバル「カンヌライオンズ」でデータ部門、モバイル部門でのグランプリなど、数多くの部門を横断して受賞をしている。

キャンペーンの名前は「THE Whopper Detour Campaign(ザ ワッパー ディトワーキャンペーン)」。

次のキャンペーン紹介動画で終始写し出されるのは、バーガーキングではなくモザイク入りのマクドナルドだ。



バーガーキングの看板メニュー「Whopper(ワッパー)」を1セントで購入する方法は至って簡単。

1. バーガーキングのアプリをダウンロードする。

2. 近くのマクドナルドまで向かう。マクドナルドの店舗敷地内に入ると、アプリ内でバーガーキングのワッパーを1セントで購入できるクーポンが1回限定で付与される。

3. アプリがそのマクドナルドのすぐ近くにあるバーガーキングまで道順を示してくれる。クーポンを獲得した1時間以内に店舗に行けばワッパーを1セントで購入できる。

「Detour(迂回する)」という通り、消費者のことをわざわざマクドナルドを経由させてバーガーキングへ向かわせるのだから、マクドナルド従業員の気分は最悪だ。

わざわざ喧嘩を売るような手段を取らなくてもいいのにと思わなくもないが、このキャンペーンをバカにできないのが、その反響の大きさだ。

爆発的に伸びたアプリのダウンロード数と売り上げ

開始から約2日で、 App Storeでのダウンロードランキングは686位から1位へ急浮上。キャンペーン9日間でダウンロードは150万まで伸びた。

そして、メディアインプレッションは35億を超え、伸び悩んでいたアプリ上での売り上げも、期間中、通常期間の3倍にまで伸びたという。

キャンペーン動画の編集は、かなり煽っているようにも見える。上品なやり方には見えないかもしれないが、誰からも好かれるような広告キャンペーンではなし得なかった絶大な結果を残した。

これまでにもバーガーキングは、アプリを起動してマクドナルドの広告にかざすと、その広告が画面上で燃え上がり、燃えかすとしてバーガーキングの割引券が現れるなど、マクドナルドを巻き込んだ広告キャンペーンを展開してきた。

味やサービスだけではなく、「次はどうマクドナルドを絡めて広告を打つのか」を楽しみにしている消費者が多くいることは間違いないだろう。

文=守屋美佳

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