台湾の電動スクーター企業「Gogoro」は、2011年の設立以来、優れたデザインとバッテリーのシェアリングサービスで一気に業界のリーダーに躍り出た。同社は累計16万台のスクーターを販売しているが、これはテスラが世界中で販売した車両台数の3分の1に迫る数字だ。
同社のCEOで共同創業者のHorace Lukeによると、スクーターの販売台数は昨年倍増したという。Gogoroには、アル・ゴア元米副大統領が設立したベンチャーキャピタルのGeneration Investment Managementや、台湾の行政院国家発展基金、日本の住友商事などが出資している。
同社はまだ赤字だが、すぐに黒字化を達成する必要性には迫られていない。その理由を以下に説明していこう。
台湾は世界で最もガソリン式のスクーターが普及している。現状、電動スクーターの割合は16%だが、Lukeによるとその95%がGogoro製品だという。Gogoroの電動スクーターが売れている理由は、省エネであることに加え、デザインがクールで、乗り心地も良いことだ。同社が今年リリースした、男性をターゲットにしたやや大型のバイク風モデルは、既にベストセラーとなっている。
「若い男性の一部は、タフな外見を好むため、電動スクーターを敬遠していた」とLukeは話す。同社は、ほかにも女性向けにピンクのモデルを発売している。
Gogoroには台湾政府が高い関心を示している。行政院経済部は、電動スクーターメーカーの中から同社をパートナーに選び、共同でバッテリー交換ステーションを1300ヶ所設置した。
バッテリー交換ステーションは、都市部では道路沿いの目立つ場所に500メートルごとに設置されており、郊外では2〜5キロメートルごとに設置されている。Lukeによると、政府が公共の土地を提供し、バッテリー交換ステーション設置費の半額を負担しているという。
「ライダーたちは、政府の支援がなければバッテリー交換ステーションを利用しない」と、経済部工業局で課長を務めるTung Chien-changは指摘する。台湾以外の国では、運転中の電池切れを恐れるドライバーが多く、この市場の発展を阻害している。
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