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2019.06.21 12:15

電通も出資、小学館xDeNAの新生「MERY」のメディアを超えた可能性




ライターのマネジメントや教育には力を入れるが、記事の長さなど、最低限の決まりごとを設けた上で、記事内容は公認ライターの感性に任せている。ライターの感性を大切にしながらも、どうすればユーザーに届くかを考え抜いてコンテンツにしている。だからこそ、「友達に薦められている」という感覚で記事を読んでいるユーザーが多いのではないかという。

読者と同じ目線の記事が共感を生む

記事のPV数は明示しており、ライターのやる気に繋がっているが、一方でPVだけでなく、読者にとってかけがえのないコンテンツであるかどうか、企画内容も重視している。

「木管楽器奏者向けに、リードにリップをつきにくくするためのリップメイクを指南する記事があるんですよ。この等身大の気持ちがわかるのはMERYだから、と思っています」と砥綿氏。

編集長を置き、編集者がトレンドを読み、毎号のテーマを決め、読者をリードする──。そういった出版社のファッション誌的な読者とのコミュニケーションとは一線を画した、フラットな編集方針はインターネット発のメディアらしさとも言える。

3ヶ月に1度、ユーザーの声を集めるが、インセンティブなしで6500件程度集まる。「なんでそんなに女の子の気持ちがわかるの」といった反応から「MERYを見ていると幸せになる」「ポジティブな気持ちになる」「女の子に生まれてよかった」といったフィードバックが多く寄せられ、励みになるという。

文脈、パッケージで提案。タイアップ広告に魅力

MERYは広告メディアとしてのチャレンジも目立つ。アプリ上ではバナーなどのディスプレイ広告を廃し、コンテンツ形式の企業とのタイアップ広告を主軸にしている。コンテンツマーケティングが盛り上がる中、電通としても期待している分野だという。

「業界全体がデジタル化されている中で、企業とのタイアップ広告のニーズは確実に増えています。購買に至るまでに、認知だけではなく、『これを買いたい』とか『ちょっと気になる』など、いかに心を動かすかということに寄与するのがタイアップ広告で、そこにも投資をしていこうという動きがあります」と増田氏。

読者とのエンゲージメントが強いMERYの強みがそこにある。

MERYではタイアップ広告の企画提案時に「こういう課題があって、この世代はこう思っているから、こういうストーリーでこういう記事の内容にすると課題が解決できる」といったパッケージでの提案を行っている。公認ライターたちのリアルな声を生かしている。
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文=裵麗善(ぺ・リョソン)、林亜季 写真=田島雄一

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