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2019.06.12

セールスフォースが1.7兆円で買収、「タブロー」創業者とは何者か?

タブローの共同創業者パット・ハンラハン(Photo by Valerie Macon/Getty Images)

6月10日、顧客情報管理(CRM)大手の「セールスフォース・ドットコム」が、データ分析ツール大手の「タブローソフトウェア」を、157億ドル(1兆7000億円)で買収すると発表した。この買収により、タブローの共同創業者でチーフ・サイエンティストのパット・ハンラハン(Pat Hanrahan)は再びビリオネアの地位に復活した。

タブローの株価は6月10日、33%の急騰となり発行株式の66%を保有するハンラハンの持ち株の評価額は、8億6400万ドルから11億5000万ドルまで膨らんだ。フォーブスは彼の保有資産額を13億ドル(約1410億円)と試算している。

スタンフォード大学教授でコンピュータグラフィックス分野の世界的権威であるハンラハンは、2015年6月にタブローの株価が115ドルを突破した際に、ビリオネアの仲間入りを果たした。彼の資産額はここ数年下落していたが、今回の株価急騰により再び上昇した。

タブローはハンラハンと共同創業者のChris Stolteらの、スタンフォード大学における研究から生まれた企業だ。二人とスタンフォード大学ビジネス・スクール出身のChristian Chabotらは2003年に同社を設立した。

3人はその後、1500万ドルをベンチャーキャピタルから調達した後、2013年にニューヨーク証券取引所にタブローを上場させていた。

ハンラハンはピクサーの創業当時のメンバーで、1993年から2014年までに3つのオスカーを受賞していた。タブローの資料によると、ハンラハンは今でも時間の大半を学術領域に費やしており、タブローの業務に注ぐ時間は全体の約20%程度だという。スタンフォード大学で彼はコンピュータサイエンスや電子エンジニアリングの教授を務め、コンピュータグラフィックスやイメージ解析を教えている。

セールスフォースCEOのマーク・ベニオフもビリオネアとして有名だ。同社の株価は10日、約5%の下落となり、ベニオフの保有資産は約3億ドルのマイナスとなった。彼の資産額は現在、推定65億ドルとされている。

編集=上田裕資

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