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2019.06.07 12:30

サッカー名門「フィオレンティーナ」を200億円で買収の米富豪

ロッコ・コミッソ(Photo by Larry Busacca/Getty Images for Walter Kaitz)

米ケーブルテレビ・通信企業「メディアコム」CEOでビリオネアのロッコ・コミッソが、イタリアのセリアAに所属するサッカーチーム「フィオレンティーナ」を買収した。金額は非公開だが、現地メディアは1億5000万ドルから2億ドル(約217億円)程度と報じている。

現在69歳のコミッソは米国のサッカーチームのニューヨーク・コスモスを2017年に買収していた。ニューヨーク・コスモスの価値をフォーブスは48億ドルと試算している。

今回のフィオレンティーナの買収にあたり、コミッソは前オーナーのデッラ・ヴァッレファミリーに対し、感謝の言葉を述べた。「デッラ・ヴァッレファミリーは17年間の間チームの運営にあたり、強固な基盤を築きあげた」

イタリアのフィレンツェで92年の歴史を誇るフィオレンティーナは、2002年に経営破綻した後、世界的皮革製品ブランドの「TOD’Sグループ」を経営するデッラ・ヴァッレ兄弟が買収していた。その後、チームは復活を遂げたが今シーズンは目立った成績をあげられていなかった。

イタリア生まれのコミッソは、少年時代にボロ布で作ったボールでサッカーをプレイしていた。彼は1962年に12歳で米国に渡り、1971年にコロンビア大学を卒業。同校でMBAを取得したコミッソは銀行業界に進もうとしたが、彼を採用する銀行はなかったという。

「当時の銀行業界には差別があった」とコミッソは2018年のフォーブスの取材に述べていた。「投資銀行のクーン・ローブの連中に言われたことを今でも覚えている。ロッコ、お前はユダヤ人でもアイリッシュでもないだろ。イタリア人の勤め口は、ウォールストリートにはないのさ」

コミッソはその後、カナダのロイヤルバンクで働き始め、メディアや通信業界向けの融資を担当した。そして1986年にケーブルビジョンに転職し、1996年には自身でメディアコムを立ち上げた。メディアコムは現在、年間20億ドルの売上を生んでいる。

編集=上田裕資

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