教職、特に公立校での教職が高給な職業だと言う人はいないが、最新の報告書によると状況は悲惨だ。また、基本給の低さを補うために副業をするストレスに対処できないことに気づいた教師が仕事を辞め、教師の数が不足している。
同調査では、教師は他の大卒者と比べはるかに低い給与を受けていることが示された。2018年の教師の1週間の給料は、それ以外の人と比べて21.4%低かった。また、副業をしていた教師のほとんど(44.1%)は、指導や生徒の課外活動支援、他の教師のメンタリング、夜間授業の指導などを学年を通して行なっていた。辞めた教師はもともと基本給が低かった人たちで、副業からの収入も他と比べて少ないような貧困率が高い学校で働いていた可能性が非常に高い。
給料の低さや金銭的な障壁などから教職希望者が減少
現在教師が不足している原因は、貧困率が高い学校の教師の多くが辞めていることだけではない。報酬や初任給がこれほど低く、認定とトレーニングの金銭的な障壁があり、学校の資金不足や健康保険コストの増加などの問題を抱える職業をキャリアとすることを、大卒者が拒否していることも原因の一つだ。
給料の性差のせいで少ない給与と福利厚生をかき集めるような職業に就きたいと思う人はほとんどいない。それに加え、新たに教師になる人は他分野と同様の労働条件や職能開発機会を持ちたいと思っているし、教師の教室での本当の価値を反映した給料にしてほしいと考えている。またこうした人は、金銭面の不安によるストレスも感じたくないと思っている。
米生命保険会社メットライフが先日発表した「Annual U.S. Employee Benefit Trends(米国年間従業員福利厚生トレンド)」調査からは、最大のストレス要因が個人的な経済状況だということが明らかになった。約5人に1人は副業を行うが、それは自分が希望しているからではなく、金が必要だからだ。同調査ではまた、従業員の72%が制約のない有給休暇を、3分の2が有給の研究休暇の選択肢を求めていることも分かった。
社会は、子どもたちを教育し、人間的・社会的な資産を作り上げる教師への過少投資が間違っていることに気づく必要がある。教師は助成と支援を受ける必要がある。そのためには、教師により高い給与を与え、生活費を稼がなければならない切実な状況を背景としてではなく、教育への情熱から副業ができる選択肢を持てるようにすることが良いスタート地点となる。