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5月24日、「食品ロス削減推進法」が成立した。

この法律は、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の「食料の損失・廃棄の削減」という目標を意識している。フードロスは世界が向き合う課題であり、それに日本がどんな対応をするかは、日本の態度を示す意味でも重要といえる。

世界と日本のフードロスの悲惨な現状

世界には飢餓と栄養不足に苦しむ人々が存在する。それにも関わらず、世界では年間13億トンのフードロスが出ている。この量は人の消費のために生産された食料のおよそ3分の1に相当する。

日本は大量に食料を廃棄している国の一つだ。消費者庁の発表によると、2015年度の日本のフードロスの発生量は646万トンであり、これを一人当たりの量に直すと51kgとなる。ちなみに年間一人当たりの米の消費量は54kgなので、私たちは自分が年間に食べている米と同じだけの食品を廃棄している計算になる。

加えて、日本は食料の輸入依存率が高い。2016年度の日本の食料自給率は38%。世界中から食料を買い付けておきながら、その多くを破棄しているという事実は国際的な非難を集めかねない。だからこそ、「国民運動」として国、地方公共団体、事業者、消費者が一体となって取り組む必要がある、というのが政府の方針だ。

今回の法案では、政府が「食品ロスの削減の推進に関する基本方針」を取り決めること、地方公共団体は基本方針に合わせた具体的な計画を策定することが義務付けられた。また消費者や事業者に対する知識の普及や啓発の促進および実態についての調査研究を進めるとともに、関連事業に対する支援・表彰を行うことが盛り込まれた。

飲食店とユーザーをつなぎ、フードロスを減らす

フードロス削減に向けて政府が本腰を入れ始めたところで、今まで以上に期待と注目が集まりそうなサービスが「フードシェアリング」だ。「フードシェアリング」とは、飲食店や小売店での売れ残りをユーザーに紹介・案内するサービス。ユーザーは無料もしくは低価格でその売れ残った食品や料理を楽しむことができる。

フードシェアリングの一つである「TABETE(タベテ)」は、飲食店とユーザーをマッチングさせる「社会派ウェブサービス」。売れ残りのある飲食店は、インターネットを介して商品の価格と引き取り時間を設定し、TABETEに掲載する。すると、その商品を求めるユーザーが引き取りに来るというシステムだ。

飲食店側は廃棄を削減しながら売り上げアップを狙える上に、ユーザーはお得な値段で美味しい食事を手に入れることができる。結果として「フードロス削減」という社会貢献も叶う。


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文=田山礼真

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