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チェコ共和国の首都プラハにあるビールスパの個室(Photo by J.Q. Louise)

チェコ共和国の首都プラハは東欧で最もクールな街だ。ナイトクラブや城が多くあるほか、なんとビール風呂のスパまである。こうしたスパは施設すべてがビールのために作られ、客はビール風呂に漬かりながら浴槽のすぐ横にある注ぎ口から出るビールを好きなだけ飲める。

ビール風呂はチェコを中心とした東欧で昔から続く伝統で、人々は数百年にわたりオーク製の浴槽を使い、ビールに体を浸してきた。ビール風呂には、ストレス緩和、肌の浄化、体の毒素排出といった効能があるとされる。

眉唾に聞こえるかもしれないが、そんなことはない。これらの効能は、現代科学でも裏付けられている。欧州皮膚科・性病学協会ジャーナル(Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology)に掲載された論文は、こう指摘している。

「(ビールの材料)、特にホップはケンペロール、ケルセチン、チロソール、フェルラ酸、キサントフモール、イソキサントフモール、8-プレニルナリンゲニンや、フムロンなどのα苦味酸、ルプロンなどのβ苦味酸といったポリフェノールを豊富に含んでいる。8-プレニルナリンゲニンは、これまで知られている中で最も強力な植物エストロゲンだ。こうした化合物は、さまざまな抗菌、抗炎症、抗酸化、抗血管形成、抗メラニン形成、抗骨粗しょう症、抗発がん性の効果を持つことが示されてきた」

チェコ人は、同国産の健康的なビールに大きな誇りを持っている。プラハのビールスパ、ピブニー・ラーズニェ・スパ・ビアランド(Pivní Lázne Spa Beerland)のマルティナ・マチャチョバは「私たちは、このビールスパの健康効果にとても誇りを持っている」と語る。同スパはビール風呂の健康効果として、肌の若返りやストレスの緩和、血行の改善、解毒作用、腰や関節の痛みの緩和などを挙げている。

では、ビールスパでの体験は実際にどんなものなのか? その大半は一見すると普通のスパと同じだ。到着して受付を済ませ、個室へと案内される。ピブニー・ラーズニェ・スパ・ビアランドでは、個室のドアを開けると、熱いビールで満たされたオーク製の浴槽と、その後ろに2つの注ぎ口がある。通常のコースは1時間だ。

一般的なスパが好きでない人も、試してみれば考えが変わるかもしれない。また、ビールだからといって後ろめたさを感じる必要はない。ピブニー・ラーズニェ・ベルナルト(Pivní lázně Bernard)の支配人ダビッド・バーブラは「ビール風呂は中世から続き、その効能が証明されている医療処置で、毛穴をきれいにし、肺循環を促進し、肌と髪を若返らせ、神経系を活性化させることが知られている」と述べている。

バーブラは、1カ月に1度、「あるいはそれ以上」の頻度で利用することさえ勧めている。毎月欧州旅行に出かける絶好の口実だ!

編集=遠藤宗生

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