今年も、ルクセンブルクでAccelerator Boot Campに新会社が採択されたので、その前にパリに立ち寄り、VivaTechを訪れた。5月16日から18日の3日間にわたり盛大に開催され、世界中から大勢のイノベーターたちが集まっていた。
会場の様子(Getty Images)
前回は、マクロン大統領やマーク・ザッカーバーグ氏などがスピーカーとなり大きな注目を集めたが、今回も、著名CEOのスピーチをはじめ、ユニコーン企業の若手CEOとそれらに投資をしてきたベンチャーキャピタリスト(VC)によるパネルディスカッション、アクセラレーターの支援事例発表、スタートアップのピッチ大会、大企業のブースやスタートアップ企業のブースも出展され、多くの人たちの交流の場となっていた。
なかでも、今年いちばんの注目は、アリババ・グループの会長であるジャック・マー氏のステージで、講演会場の外にまで聴衆が溢れかえっていた。会場内でも、彼が熱いメッセージを語るたびに、拍手が沸き起こっていた。
「自分が一番大切にしているのは教育であり、自分は社長になるためではなく、先生になるために学んできた。だから、会社も学校のように経営して、自分が先生で、社員は生徒。先生の役割は、生徒にたくさんのチャンスを与え、失敗を許容し、成長させることが大切である」
ジャック・マー氏のFireside Interviewを会場の外で聴く人々(Silicon Valley Ventures)
母国語でなくとも流暢な英語を話す人は世界中にいるが、彼のように心を込めて、自分の言葉で、正直に語れるグローバルリーダーは数少ない。他にもたくさんの著名スピーカーはいたが、マー氏ほど、聴衆を魅了したリーダーのスピーチはなかったし、笑いもあり、いちばん多くの拍手が鳴り響いていた。
スタートアップCEOとVCによるパネルディスカッションでは、シリコンバレー以外の場所でどうユニコーンを生み出すかについての話題が目立った。実際にユニコーン企業を生み出したVCやCEOが登壇していて、議論はかなり白熱していた。
会場内の大企業の出展ブースでは、フェイスブックとグーグルの大きなロゴが目立っていた。そこから少し歩くと、セールスフォース・ドットコムの賑やかなデザインのブースがあり、やはりシリコンバレー勢の勢いと存在感は圧倒的だった。