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2019.06.03 06:30

ジャック・マーのスピーチに喝采 4年目のパリ「VivaTech」

(Photo by Chesnot/Getty Images)

(Photo by Chesnot/Getty Images)

昨年5月、マクロン大統領の「Welcome innovators」という演説に衝撃を受け、訪問先のイスラエルから直接パリに乗り込み、VivaTechnology(VivaTech)に参加した。ヨーロッパで最大のスタートアップとテクノロジーのイベントは、イノベーション促進を目的としており、この分野におけるフランスという国の熱気を感じた。

今年も、ルクセンブルクでAccelerator Boot Campに新会社が採択されたので、その前にパリに立ち寄り、VivaTechを訪れた。5月16日から18日の3日間にわたり盛大に開催され、世界中から大勢のイノベーターたちが集まっていた。


会場の様子(Getty Images)

前回は、マクロン大統領やマーク・ザッカーバーグ氏などがスピーカーとなり大きな注目を集めたが、今回も、著名CEOのスピーチをはじめ、ユニコーン企業の若手CEOとそれらに投資をしてきたベンチャーキャピタリスト(VC)によるパネルディスカッション、アクセラレーターの支援事例発表、スタートアップのピッチ大会、大企業のブースやスタートアップ企業のブースも出展され、多くの人たちの交流の場となっていた。

なかでも、今年いちばんの注目は、アリババ・グループの会長であるジャック・マー氏のステージで、講演会場の外にまで聴衆が溢れかえっていた。会場内でも、彼が熱いメッセージを語るたびに、拍手が沸き起こっていた。

「自分が一番大切にしているのは教育であり、自分は社長になるためではなく、先生になるために学んできた。だから、会社も学校のように経営して、自分が先生で、社員は生徒。先生の役割は、生徒にたくさんのチャンスを与え、失敗を許容し、成長させることが大切である」


ジャック・マー氏のFireside Interviewを会場の外で聴く人々(Silicon Valley Ventures)

母国語でなくとも流暢な英語を話す人は世界中にいるが、彼のように心を込めて、自分の言葉で、正直に語れるグローバルリーダーは数少ない。他にもたくさんの著名スピーカーはいたが、マー氏ほど、聴衆を魅了したリーダーのスピーチはなかったし、笑いもあり、いちばん多くの拍手が鳴り響いていた。

スタートアップCEOとVCによるパネルディスカッションでは、シリコンバレー以外の場所でどうユニコーンを生み出すかについての話題が目立った。実際にユニコーン企業を生み出したVCやCEOが登壇していて、議論はかなり白熱していた。

会場内の大企業の出展ブースでは、フェイスブックとグーグルの大きなロゴが目立っていた。そこから少し歩くと、セールスフォース・ドットコムの賑やかなデザインのブースがあり、やはりシリコンバレー勢の勢いと存在感は圧倒的だった。
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文=森若 幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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