今年で10回目の発表となった調査は、学生が調査対象企業約199社から志望する上位5社を選択し、各企業の志望理由について「仕事」「会社」「雇用」「採用活動」「志望業種」の5点の魅力について回答する形で行われた。2018年11月10日から2019年4月11日にかけて、3131人から得た回答を基に結果を独自に算出した。
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NTTデータが10年連続1位
安定した雇用形態や福利厚生の充実度を理由に、NTTデータが2010年の調査開始以来10年連続で1位となった。NTTデータに関しては、IT業界のフレキシブルさというより、学生の大手志向、安定志向を反映しているように見受けられる。
今年は12位から9位にランクを上げたLINEを加えて、グーグルや楽天、ヤフーといったWEBサービス企業がトップ10社のうち4社を占めた。「成長性が高そう」といった理由もあるが、主に社名やサービスの知名度が高いことによってランキングの順位を押し上げたとみられる。
コンサル系はランクダウン、システムインテグレーター系が人気
トップ20社にコンサル系やITメーカー系が多く入ってはいるものの、今年はコンサル系のアクセンチュア、野村総合研究所(NRI)、アビームコンサルティングなどがそれぞれ順位を落とした。
一方で、システムインテグレーター系(情報通信企業)は人気を集めているようだ。Skyは2017年にランキングに入って以来、3年連続で順位を上げている。
比較的新しい社会インフラとしてのインターネットも重要性が高まっていることから、専門スキルを活かせる、やりがいを感じられるといった点で学生の注目を集めている。さらに、研究などで忙しい理系の学生に配慮した柔軟な選考方法をとる企業が多いことも人気の秘訣となっているようだ。
昨年、経団連が就職活動のルールを2021年卒業予定の学生に対して廃止するとアナウンスしたり、経団連会長が日本の伝統的な「終身雇用」の難しさについて「制度疲労を起こしている」などと自論を展開したりするなど、就職活動にまつわるニュースにも動きがみられた。
比較的変化に柔軟だと捉えられているIT業界に対して学生がどのように考えるのか、来年のランキングがどうなるのかにも注目が集まるだろう。