──オンボーディングに関して、仕組み化が進んでいますね。
先ほど、入社する14日前から社内のSlackに入れると言いましたけど、人事や総務の人たちはもっと前から新しい社員を迎え入れる準備をしています。例えば、どんなコンピューターを渡すのか、どんなデスクに座ってもらうのか。そして入社する日のマネージャーの予定を抑えておくことも大事な仕事です。
新しいメンバーが入ったときに「思いやり」を持って迎え入れる。そして「匠の精神」であらかじめランチの時間を抑えておき、慌てないようにする。ここにもSlackのコアバリューが体現されているのです。
──すべてが完璧のように思えますが、課題はないのでしょうか?
たくさんあります。大部分はスムーズにいっていますが、例えば予期しない変更があったとき、そこの調整がうまくいかないのが現状です。予定よりも「1週間早く入社したい」と言ってきたときに、スムーズに対応できるやり方が今後必要だと思います。
Slackは急成長している会社なので、その時々でいろんな変更が生じます。先ほどのパフォーマンスレビューもそうです。変更があった際、社員に対して、なぜいま変えたのか、新しいやり方はどういったものかも丁寧に教えなければなりません。
楽天の創業者、三木谷浩史さんは「会社は3、10という数字で変わっていく。会社が成長していき、社員が30人、100人、300人、1000人となったタイミングでプロセスを変えないといけない」と言っていました。Slackは現在、1000人を超え、これから3000人のフェーズに向かって進んでいるところです。今後も変化が生じることは間違いないでしょう。
──今後、Slackが組織として目指すものがあれば教えてください。
大きく3つあります。1つ目はハイヤリングとオンボーディングの効率をさらに高めていくことです。2つ目はカルチャーとコーポレートバリューをきちんとマッチさせ、維持していくことです。グローバル化が進み、会社の規模が大きくなっていくと、どうしても維持するのが難しくなってしまうので、きちんとやっていきたいと思います。
最後はPeople Managerへの投資拡大です。私はPeople ManagerがSlackで最も価値のあるものだと思っています。今後、投資を強化して、社内でのプレゼンスをより高めていきたいですね。