「ワシントンの政治家たちは現実を見ていない。ロサンゼルス近郊では気候変動の影響で山火事が起こり、街は豪雨で水浸しになった。ロサンゼルス市は状況を変えるために立ち上がり、地域の環境と経済を守るための試みを始動する」とガーセッティはプレスリリースで述べた。
今回のプランは2015年にロサンゼルス市で導入されたサスティナブル・シティ計画の新バージョンで、市で使用された水を100%再利用することも定めている。また、ガソリン車のEV(電気自動車)化だけでなくビルの空調からの二酸化炭素排出もゼロに引き下げることをゴールとする。ガーセッティが設定したのは下記のような項目だ。
・自動車のEV化の促進:2025年までに全車両の25%、2035年に80%、2050年に100%に。
・市の建物や公園、図書館に400台のEV充電器を設置し、街路灯にも500台のEV充電器を設置する。
・2028年までに全てのゴミ収集車をゼロ・エミッション(EV)化する。
・2022年までに1万カ所に無料EV充電所を設置し、2028年には2万8000カ所まで増やす。
・2022年までにタクシーの10%をEV化し、2028年までに全車両のEV化を実現。
・2028年までに全てのスクールバスをEV化する。
・2034年までにデリバリー用の車両を完全にEV化する。
・2030年までに市営バスを完全にEV化する。
計画の詳細や資金の捻出方法は明らかにされていないが、実行にあたっては民間の支援も必要だ。市は地元の財団のLiberty Hill Foundationらとパートナーシップを結んでおり、新たにEV車を購入した人々に、最大1万4000ドルの補助金を与えようとしている。
また、折りたたみ電動バイクのシェアサービスを運営するURB-Eと共同で、デリバリー車両のEV化にも取り組んでいる。さらに、公共交通も二酸化炭素の排出削減と渋滞の緩和に大きな役割を果たす。市は112台のEVバスを追加で導入し、鉄道との乗り継ぎを容易にする計画だ。さらに、市内に乗り入れるガソリン車から渋滞税を徴収する計画も進めている。
ガーセッティはグリーン・ニュー・ディール政策により、推定40万人の新たな雇用が生み出せると発表した。2050年までに二酸化炭素排出をゼロにする取り組みを進めるなかで、ソーラーパネルの設置やエネルギー効率の高い住宅の建設が必要になる。
ロサンゼルス市内の無料EV充電所の設置作業のみで、2025年までに1500人の雇用が必要になるという。